この3人とはロシア財界の超大物ゲンナジー・ティムチェンコ氏(69)、イーゴリ・ローテンブルク氏(48)とボリス・ローテンバーグ氏(65)だ。米CNBCによると、3人はプーチン政権のもと新興財閥を立ち上げ、巨万の富を得た実業家で、制裁の結果、彼らは英国など西側に所有する資産総額320億ドル(約3兆7000億円)を失うことになるという。
ティムチェンコ氏はエネルギー、運輸、インフラ資産への投資を専門とする民間投資グループ「ボルガ・グループ」を創業し、所有。ローテンブルク氏は天然ガスや石油のパイプラインや電力供給網を構築した巨大建設企業「SGMグループ」の2代目オーナー。創業者の父・アルカディ・ローテンブルク氏(70)はプーチン氏の幼なじみ。また、ローテンバーグ氏はローテンブルク氏の共同経営者だ。
3人はプーチン氏の親友や側近で、14年にロシアがウクライナ南部クリミアを併合した際も経済制裁を受けた。当時は特別法によりプーチン政権により補償され、息を吹き返したとされる。また、18年にはトランプ米大統領が「混乱や不和、憎しみの種をまこうとする勢力の試みを成功させるわけにはいかない」としてプーチン氏とつながりを持つオリガルヒ(新興財閥)7人や関連企業12社への制裁を発表した。
西側は今回の3人に加え、さらにオリガルヒの有力実業家たちの海外資産を凍結するなど、追加制裁を科すものとみられ、プーチン氏周辺の〝兵糧攻め〟を狙う。
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