2022-05-20 調査データ

コロナ禍における日本のオンラインゲーム愛好者の動向

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注目ポイント

 今年2月5日に1日当たりの新規陽性者105,590人を記録したが、その後徐々に減少に転じ、本調査を開始した4月1日には5万人を切るまでに至った。デルタ株からオミクロン株(BA.1株)に変異したことで感染が急速に広がったが、さらに伝播性が高いステルスオミクロン株(BA.2株)の流行が心配される。外出自粛、オンライン授業、在宅勤務などの行動制限緩和を通して、巣ごもりをせざるを得ない人がだんだん減っている状況下、ゲーム愛好者の動向について調査した。

  • ネット利用者の過半数がゲームをプレイ、主流はスマホやタブレット

今回の調査では、日常的にゲームをしている人の割合は66.9%で、昨年4月の65.7%と比較しても微増でしかない。一方、新規陽性者数は去年4月が4~5千人、今年4月はその10倍近くの4~5万となっているが、感染者数増加はゲームをしている人の割合の変化に、さほど大きな影響は与えていないように思える。また、普段利用しているゲーム機について調査したところ、その持ち運びの便利さや手頃なサイズ感から、去年も今年もスマホ/タブレットの利用者が最も多く、2021年85.3%、2022年79.7%となっている。モバイルゲームをするようになったきっかけは、魅力的なゲームが数多く開発販売されており、6割以上の人がゲームソフトの充実を理由に挙げている。

Nintendo SwitchやPlayStation5など、この2~3年で開発販売されたゲーム機は、その人気が故に転売が横行し、発売直後にはゲーム機が供給不足に陥り、品薄状態がしばらく続いた。また2020年に始まった新型コロナによって巣ごもり需要が高まり、人気機種は供給不足、それに連座して、ゲームソフトまで販売不振となった。しかし、長引くコロナ禍の中で、巣ごもりに必要なものはだいたい買い揃えられ、ゲーム機も今では、欲しい人はちゃんと入手できるまでに普及した結果、パソコン利用者45.5%とほぼ同じ45.8%の人がゲーム機を利用している。

  • ゲームのダウンロード状況

ゲームをダウンロードしたことがある人の割合について調査した。今年新たにゲームをダウンロードした経験のある人は56.9%で、去年の調査時の64.9%と比べて8ポイントも減っている。しかし、この結果からは一概にゲーム離れに結び付けることは難しい。なぜならば、平均のダウンロードゲーム数は逆に、去年の3.43から今年は3.83に0.4も増えているからである。

ゲームをダウンロードした後に何回課金するかについて、無料ゲームと有料ゲームに分けて調査した。1年間に課金する回数は2021年に比べて、2022は全ての項目で3~7回減少している。有料無料にかかわらず、課金の理由として最も多かったのは、「アイテムや能力の強化などゲームを有利に進めるため」で、無料ゲーム12.7回、有料ゲーム5.1回であった。しかしこれも去年の16.9回と比べると4回も少なくなっている。また、無料ゲームでは、キャラクターの外観やコスチュームなどに課金する頻度が、去年の18.6回から急落しているとは言え、11.3回もあり、2番目に多かった。これに対し、有料ゲームでは、外観に課金する回数は4.8回となっており、クエストやステージの追加のための課金4.9回に次いで僅差で3番目の頻度になっている。

 

  • モバイルゲームの利用状況と嗜好及び有償での利用意向

 

どんなタイプのモバイルゲームを利用しているのか、及び、好きなタイプはどれかについて調査した。全ての年代で男女を問わず、パズルゲームが一番利用されていることがわかった。最も多いのが50~60歳代の59%、次いで40~49歳代の52%となっている。また女性も半数以上の55%がパズルゲームをプレイしていると答えている。好きなタイプのゲームに関しては、30~39歳代は1ポイントの差でロールプレイングゲームがパズルゲームより上位となっているが、全体を見ると、パズルゲームが28%で最も多い。特に女性は、ロールプレイングゲームに20ポイント以上の差をつけてパズルゲームが最も好まれているゲームであることがわかる。

パズルゲームの平均プレイ時間は1日当たり1時間弱となっており、だいたいの人が1日一回程度プレイしている。シミュレーションゲームやテーブルゲーム、ロールプレイゲームなどは比較的平均プレイ時間が長く、1日平均1.5時間プレイしている。ロールプレイゲームは、ストラテジーゲームと並んでプレイ頻度も高く、週平均7.7回プレイされている。

有料で最も利用頻度が高いのはストラテジーゲームで去年も今年も64%となっていて、ARゲーム61%、ファミリー/キッズゲーム60%と並んで、モバイルゲームタイプ別のトップ3である。有料でもやってみたいゲームのうち、去年よりも大幅にポイントを挙げたのは、ファミリー/キッズゲームとカードゲームがそれぞれ+28ポイント、アクション/アドベンチャーゲームが+20ポイントで、逆に利用意向が下がったのは、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(-7ポイント)とファーストパーソン/シューティングゲーム(-10ポイント)であった。

ここで特に注目すべきは、パズルゲームの利用意向であろう。半数近くの人がプレイをし、3人に一人の人が気に入っている、利用状況と嗜好のランキングでトップのパズルプレイだが、去年が15%、今年が18%というふうに、今回調査した項目の中で有償でもプレイしたい人の割合は、最も低い。コロナ禍の閉塞感の中で、平日はオンライン授業や在宅勤務、休日は近場の散策で済ませたり、ソーシャルディスタンスを嫌って外出を控えたりする現状で、うちにいながら気軽に、簡単に、且つ廉価にできる娯楽ということで、無料ならやる、という風潮が生まれたものと思われる。

 

  • ゲームタイプ別、月平均支出額

ゲームタイプ別に毎月の平均支出額を調査した。最も支出が多かったのはワードゲームの2574円で、ファーストパーソン・シューティングゲーム2177円、ストラテジーゲーム2015円と続く。ワードゲームは、子供から大人まで幅広くプレイを楽しむことができ、プレイヤーも比較的大人数で遊べて、しかも遊びながら知的欲求を満たしてくれるゲームである。家族で遊のため、友人と遊ぶため、知らない人と知り合うチャンスでもあるため、お金を払ってでもプレイしたいと思う人がたくさんいるのではないだろうか。

去年と比べて大幅に増えたのは、ストラテジーゲーム(+1058円)、シミュレーションゲーム(+722円)、音楽ゲーム(+690円)、ワードゲーム(+612円)となっている。

 

  • モバイルゲームの情報源

モバイルゲームの情報源で最も多いのは、App StoreやECサイトの閲覧で、PCゲームの公式サイト、友人・親戚の勧め、ソーシャルメディアの広告、オンラインゲームストアと続く。男女別に見ると、男性では、App StoreやECサイトを閲覧するという人が一番多いが、実況プレイやレビューサイトも重要な情報源となっている。特に16~29歳の若い世代で利用する傾向が強い。女性、及び50歳以上の世代では、友人・親戚の勧めが最も主要な情報源となっている。

 

 

調査目的:日本のゲーム愛好者のコロナ禍の現状に対する実感調査

調査対象:16歳~60歳の日本在住インターネット利用者

調査方法:インターネットによる調査

調査期間:2022年4月1日~4月3日

回答数:992人

著者:橋本行平