2022-02-17 経済

40年ぶりインフレ率が7・5%と超高水準の米国 ロシアがウクライナ攻撃するとさらに物価は暴騰

インフレ率が40年ぶりに7・5%と超高水準となっている米国。ロシアがウクライナに侵攻し、戦争になればインフレ率はさらに上昇し、10%以上になると経済専門家らは分析している。

世界屈指の産油国であるロシアからの供給網が紛争により、もしくは経済制裁により遮断されれば、原油価格は1バレル100ドルを超えることは確実で、米国経済に大きく影響し、燃料から食品にいたるまで、ほぼ全ての物価が高騰するというのだ。

英大手コンサルティング会社RSMによると、第2次大戦後最悪の不況とされた1981年のインフレ率10・32%以来、ウクライナ情勢は最速ペースで米国にインフレをもたらすと予測。同社は原油価格が現在の1バレル90ドルから、110ドルを超えると推測する。RSMの主任エコノミスト、ジョー・ブルスエラス氏は米CNNに、ロシアがウクライナに侵攻した場合、直後の混乱で消費者レベルの光熱費やガソリン代はさらに高騰するだろうと予想する。

最悪のシナリオを回避するため、バイデン米大統領はロシアに対し、ウクライナ攻撃には米欧が強力な経済制裁を科すと警告。だが、その制裁に対抗し、世界第2位の原油と天然ガスの輸出国であるロシアが、それらの供給を止めた場合に起きる価格暴騰を西側が恐れているのも事実だ。

その場合、米総合金融大手JPモルガン・チェースの分析では、RSMを上回る原油価格1バレル120ドルまで上昇するとみている。

実際に原油価格は消費者にどう反映されているのか。例えば米国のレギュラーガソリンの全国平均価格は15日時点で1ガロン3・50ドル。これは1年前の2・50ドルから40%上昇。1ガロンは3・785リットルなので、日本式に変換すると1リットル0・924ドル(約107円)。ちなみに日本では14日時点でレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均価格は前週比0・2円高の171・4円。6週連続の値上がりとなっている。

また、米調査会社ムーディーズ・アナリティクスによると、昨年と比較した米国の物価上昇率7・5%は、1世帯当たりにすると月276ドル(約3万1900円)と大幅な支出増になっている。米国では1914年から現在までのインフレ率の平均値は3・25%で、2019年は1・8%、20年は1・2%だった。

そもそも米国でインフレ率がコロナ禍2年目の昨年から急激に上昇した理由の一つは「大量自主退職時代(Great Resignation)」の到来によるものだとする調査報告をシカゴ連邦準備銀行が今週発表した。

同調査によると、コロナショックからの経済回復が早かった米国では昨年、より給料の高い仕事を求めて自主的に企業を退職する人が急増。月平均で400万人が好条件の職場に再就職した。つまり、失業者による再就職と違い、仕事を持ちながらキャリアアップを目指すことで雇用市場が活性化し、平均賃金が上がりインフレ率を約1%押し上げたとしている。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は先週、インフレを抑制するため、18年以来となる利上げを行うことを示唆。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、投資家は利上げ幅が0・25ポイントではなく0・5ポイントになると予想し、もし実施されれば、それほどの大幅利上げは2000年以来となる。

FBRのパウエル議長は、「インフレ率が目標の2%を大きく上回っている」と述べ、物価の安定を守ることを強調。利上げに必要な条件である「最大雇用」(低水準の失業率)へと労働市場が進展していると説明した。

急激なインフレで〝ゼロ金利政策〟からの軌道修正を迫られた米国経済。その影響は日本を含め、世界に及ぶことは確実だが、差し迫ったウクライナ危機の展開ひとつで、また新たな局面を迎えることになりそうだ。

 

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