注目ポイント
Facebookが正式にMetaへの改名を発表し、テクノロジーを駆使し仮想世界と現実世界を統合することを公言したことで、メタバースの概念と議論は再びメディアに登場するようになった。メタバース関連のトレンドキーワードを一緒にマスターして、この仮想世界の波に乗り遅れないようにしよう。
「メタバース」とは具体的に何なのか?メタバースは仮定された宇宙とも呼ばれ、将来の永続的かつ分散されたオンライン上の3次元仮想空間のことを表す。この仮想環境では、VRゴーグルや、ARメガネ、携帯電話、パソコン、ゲーム機などを通じて人工的に統合された“現実の仮想世界”にアクセスすることが出来る。関連技術は、今でこそパソコンゲーム、アート、ビジネス、教育、小売り、不動産などの分野で活用されているが、これまでは技術・コスト面の問題から普及が進まなかった。テクノロジーが成熟した上に、2020年の新型コロナウイルスの流行によりバーチャルイベントプラットフォームの需要が高まった今、メタバースの無限の可能性がテクノロジー産業の次世代の焦点となるだろう。
メタバースの語源と社会へ及ぼす影響
そもそも「メタバース」という言葉は、1992年のニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』で初めて使われ、これは仮想都市の中で人々が自分で作ったアバターを通して仮想世界で交流することが出来るという内容である。その他にも『マトリックス』、『レディ・プレイヤー1』などの多くの映画や小説、SF要素を備えたゲームでもこうした仮想世界を題材にしたものが多くある。
科学技術の進歩に伴い、このようなSFのストーリーは徐々に実現されはじめ、物理的な世界とバーチャルな世界が様々な場面で融合されつつある。2003年から、仮想空間オンラインゲーム「セカンドライフ」では住民が土地を購入し、教育、キャリア、家族、独自の通貨システムを発展させることが出来る並行会社として発展してきた。
メタバースは仮想空間やサービスを通じて、時間や空間の制約を超越し、生活の利便性を高めながら、新しい金融活動やワークスタイルさえも生み出すことができる。しかし、メタバースの本質が現在のネット世界の延長線上にあるとすれば、いまネット上にある無数の未解決課題についても考えざるをえないということである。ハッキング、フィッシング、ハラスメント、個人情報、ヘイトスピーチ、ユーザーの依存症など、メタバースは危険が存在している場所でもある。
simulation(シミュレーション) 模擬演習
動詞のsimulate(シミュレート)は「模擬演習、模倣する、偽装する」という意味合いを持ち、本物を再現しようとしたり、コンピューター計算で本物と比較したりすることだ。メタバースにおける名詞のsimulation(シミュレーション)とは、様々なVR装置と高度なコンピューターアルゴリズムを用いて、現実と仮想の世界を一体化させ、本物に近い疑似状況を創り出すことを指す。新人ドライバーのために、様々な道をコンピューターシミュレーションで練習することが出来るわけだ。