2022-02-16

オミクロンの再感染率はデルタの5倍で重症化リスクも「低くない」~英国の最新研究結果

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注目ポイント

インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究で、2回目のワクチン接種または追加接種を受けてから2週間以上経過した人の場合、オミクロン株感染による症状の発生率が、デルタ株よりも高いことが分かった。この研究で使用されたワクチンは、アストラゼネカとファイザーである。

 

新型コロナウイルスのオミクロン株は、感染者数が急増しており、インペリアル・カレッジ・ロンドンの最新の研究によると、再感染率はデルタ株よりも5倍高く、症状も軽いわけではないという。

また、12月17日のワシントン大学の発表によると、新型コロナウイルスに感染し、完治した後にファイザーのワクチンを2回接種した人が、オミクロン株に再感染した際、体内の抗体の減りが最も少ない状態だったという。一方、別の研究ではワクチンを規定回数接種すると「スーパー免疫」を得られるという結果もある。

今回の研究で、オミクロン株の基本再生産数は3以上、ワクチン接種後の発症率が高いという結果も出た。シンガポールのニュース専門チャンネルCNAも、新型コロナウィルスのオミクロン株の感染者数は、欧米各地で急増しており、年末のホリデー期間が脅かされている。イギリスの研究によると、オミクロン株の再感染率はデルタ株の5倍以上高く、発症した場合の症状も軽くない、と報じている。

この調査結果は、インペリアル・カレッジ・ロンドンと英国保健安全保障庁とイギリスの国民保健サービスの合同研究によって得られたものである。これらのデータは、2021年11月29日から12月11日の間に、イギリスのPCR検査で陽性となった人を対象に調査。すると新型コロナウイルスの全感染者の中で、オミクロン株の割合は2日ごとにほぼ倍増していることが判明した。これらの結果から、オミクロン株の基本再生産数(1人の患者が平均して何人に感染を広げる可能性があるかを示した数値)が、3以上ということが分かった。

また、オミクロン株に感染したと診断された人の特徴は、デルタ株と違い18~29歳、ロンドン周辺に住んでいる人、アフリカ系民族の人は、特に感染リスクが高いとされている。ロンドンにおいては他の地域よりもオミクロン株の感染リスクが高いとされている。

研究結果からは、「オミクロン株の重症度(入院リスクと症状パターン等)がデルタ株と異なるという証拠はない」ということだ。だがその一方で、入院に関する情報量が非常に限られているとことも補足されている。

最新の研究結果では、「ワクチン(予防接種)の状況、年齢、性別、民族、無症状、地域、サンプリング日から考えた時、オミクロン株はデルタ株と比較して再感染リスクが5.4倍高くなる」と発表された。

インペリアル・カレッジ・ロンドンは発表の中で、オミクロン株感染後、再感染に対する防御率が19%と低い可能性があると述べている。しかし、この研究が専門家による評価を受けていないことも指摘されている。

専門家は、2回目または追加ワクチンを摂取し2週間以上経過した人は、デルタ株と比較してオミクロン株の方が、発症リスクが大幅に高いという。使用されたワクチンはアストラゼネカとファイザーだった。この結果、オミクロン株感染リスクに対する推定効果は、2回接種、後で0〜20%、追加接種後だと55〜80%という結果になった。

研究の中心人物ニール・ファーガソン氏は、インペリアル・カレッジ・ロンドンの発表の中で次のように述べている。「この研究から得られたさらなる結果は、一度感染しようが、ワクチンを接種して抗体が高い状態であろうが、オミクロン株には感染する可能性が高いということだ」また、「オミクロン株が公衆衛生に対して、重大かつ差し迫った脅威を持つことを意味する」とも続けた。

同大学のアズラ・ガー二教授は、再感染のリスクとワクチンの有効性を数値化することは、将来のオミクロン株とワクチンや他の公衆衛生への影響を知るためにとても重要だ、と話す。

アメリカの最新の研究によると、ワクチンを完全に接種した後の「ブレイクスルー感染」に対しては「スーパー免疫(非常に高い免疫)」が期待できるとしている。前出のCNAによると「アメリカの研究によると、新型コロナウイルスに感染して完治した後、ファイザーのワクチンを2回接種した人がオミクロン株に再感染した際、体内の抗体の減りが最も少ない状態だった」という。また、別の研究では、ワクチンを規定回数接種すると「スーパー免疫」を得られるという結果もある。

一部の海外メディアは、既存のワクチンではオミクロン株に対して効果を発揮しないだろうと報じている。以前、アメリカのデューク大学は、モデルナのワクチンを接種した30人の血液サンプルの研究に協力、オミクロン株に感染した際に血液中の中和抗体は少なくとも50倍低下した状態だったと発表している。

南アフリカは14日に、「ファイザーワクチンの2回接種では、オミクロン株に対する予防果率が33%しか発揮されなかった」と大規模な研究結果を発表。13日、オックスフォード大学の研究では、アストラゼネカのワクチンの2回接種では、オミクロン株に対してほとんど予防効果がないことが発表された。

アメリカのワシントン大学とスイスの製薬会社Humabs Biomed SAによる合同研究では、専門家の確認を経て次のように述べている。「ファイザーのワクチンを2回接種し、オミクロン株に感染していない場合の抗体の減少が44倍であったのに対し、感染・完治後に2回ワクチンを接種した人の抗体の減少は5倍に留まった」という。

また、この研究で中国のシノファーム、ジョンソン&ジョンソンとロシアのスプートニクVワクチンも、オミクロン株に対し、ほとんど効果を発揮しないということが分かった。

研究では、中国産ワクチンを2回接種した13人のうち、体内でオミクロン株に対する抗体が出来たのは3人だけだった。ジョンソン&ジョンソンの単回接種を受けた12人のうち1人のみに抗体ができ、スプートニクVワクチンを2回受けた11人の中では誰も抗体が出来なかったという。専門家たちは、いかに3回目のブースター接種が必要であるかを再確認したと強調した。

スプートニクVワクチンを開発したロシアのガマレヤセンターは、オミクロン株に対するスプートニクVワクチンの有効性は、前述の研究結果からでは結論付けられないとコメント。

ワシントン大学の発表の他に、オレゴン健康科学大学(OHSU)の発表でも、ワクチンの2回接種、感染・完治を経ることで「スーパー免疫」が発揮される、と同様の研究結果を出している。このOHSUの研究結果は、米国医師会(JAMA)のオンライン版で発表されたもので、ワクチン接種後の「ブレイクスルー感染」後、完治して得られた抗体は、デルタ株にも非常に高い予防効果を発揮し、他の種類の株に対しても同様の効果を発揮する可能性が高いという。しかし、その効果を発揮するためには、推奨回数のワクチン接種を完全に終えていることが前提とされる。

専門家たちは、血清サンプルからブレイクスルー感染者の中和抗体を取り出し、確認したところ、ファイザーのワクチンを2回接種し未感染の人に比べて、1000%強い抗体を持っていることを発見した

論文の上席著者で、OHSUの分子微生物・免疫学者のフィカドゥ・タフェッセ氏は「これ以上にいい免疫反応はない。既存のワクチンは重症化予防に非常に有効であることに変わりはなく、今回の研究により、ワクチンを完全に接種した後に感染を経ることで、スーパー免疫が得られることが分かった」と述べた。

 

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原文責任編集者:潘柏翰
原文校閲者:楊士範
翻訳者:黄群儒
校閱者:TNLJ編集部