注目ポイント
インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究で、2回目のワクチン接種または追加接種を受けてから2週間以上経過した人の場合、オミクロン株感染による症状の発生率が、デルタ株よりも高いことが分かった。この研究で使用されたワクチンは、アストラゼネカとファイザーである。
新型コロナウイルスのオミクロン株は、感染者数が急増しており、インペリアル・カレッジ・ロンドンの最新の研究によると、再感染率はデルタ株よりも5倍高く、症状も軽いわけではないという。
また、12月17日のワシントン大学の発表によると、新型コロナウイルスに感染し、完治した後にファイザーのワクチンを2回接種した人が、オミクロン株に再感染した際、体内の抗体の減りが最も少ない状態だったという。一方、別の研究ではワクチンを規定回数接種すると「スーパー免疫」を得られるという結果もある。
今回の研究で、オミクロン株の基本再生産数は3以上、ワクチン接種後の発症率が高いという結果も出た。シンガポールのニュース専門チャンネルCNAも、新型コロナウィルスのオミクロン株の感染者数は、欧米各地で急増しており、年末のホリデー期間が脅かされている。イギリスの研究によると、オミクロン株の再感染率はデルタ株の5倍以上高く、発症した場合の症状も軽くない、と報じている。
この調査結果は、インペリアル・カレッジ・ロンドンと英国保健安全保障庁とイギリスの国民保健サービスの合同研究によって得られたものである。これらのデータは、2021年11月29日から12月11日の間に、イギリスのPCR検査で陽性となった人を対象に調査。すると新型コロナウイルスの全感染者の中で、オミクロン株の割合は2日ごとにほぼ倍増していることが判明した。これらの結果から、オミクロン株の基本再生産数(1人の患者が平均して何人に感染を広げる可能性があるかを示した数値)が、3以上ということが分かった。
また、オミクロン株に感染したと診断された人の特徴は、デルタ株と違い18~29歳、ロンドン周辺に住んでいる人、アフリカ系民族の人は、特に感染リスクが高いとされている。ロンドンにおいては他の地域よりもオミクロン株の感染リスクが高いとされている。
研究結果からは、「オミクロン株の重症度(入院リスクと症状パターン等)がデルタ株と異なるという証拠はない」ということだ。だがその一方で、入院に関する情報量が非常に限られているとことも補足されている。
最新の研究結果では、「ワクチン(予防接種)の状況、年齢、性別、民族、無症状、地域、サンプリング日から考えた時、オミクロン株はデルタ株と比較して再感染リスクが5.4倍高くなる」と発表された。
インペリアル・カレッジ・ロンドンは発表の中で、オミクロン株感染後、再感染に対する防御率が19%と低い可能性があると述べている。しかし、この研究が専門家による評価を受けていないことも指摘されている。