2022-02-15 経済

韓国大統領選スタート 李、尹氏の一騎打ちに「第三の候補」が参戦して野党一本化を提案

© Photo Credit: Reuters / TPG Images

3月9日投票の韓国大統領選の選挙戦が15日、正式に始まった。革新系与党「共に民主党」の候補・李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事(57)と、保守系最大野党「国民の力」の候補・尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長(61)による2強の激戦とみられるが、キャスティング・ボートを握る可能性がある〝第三の候補〟の動向にも注目が集まっている。

中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補(59)が、ここにきて野党候補の一本化を尹氏に呼び掛けたのだ。調査会社リアルメーターが13日に公表した最新の世論調査によると、大統領選候補の支持率は李氏が39・1%、尹氏が41・6%の接戦だ。2人に続く安氏の支持率は7・7%だが、安氏は尹氏との一本化が実現すれば政権交代が可能だとしている。

韓国紙・中央日報によると、安氏は13日にオンライン会見で野党両党の共闘を訴え、「世論調査国民選挙で1人の候補を決め、誰が候補になろうとお互いランニングメイトになれば、圧倒的な勝利を引き出すことができる」と主張した。これは昨年のソウル市長選挙で、野党陣営が世論調査の結果に基づき候補を決めた例に習い、今回も同様の方法で共闘することを提案した。

医師であり実業家でもある安氏は、これまで大統領選に2回出馬。2012年には有力視されたものの途中で辞退した。17年には文在寅(ムン・ジェイン)大統領に敗れ、第3位の得票率に終わった。今回も現時点で支持率3位と、前回同様の展開になっていることから、尹氏と手を組むことで起死回生を狙ったものとみられる。

これに対し、尹氏は「肯定的に評価する」としたものの、世論調査で選ぶ方法については「少し悩むが残念な点もある」と述べ、慎重な姿勢だ。

いずれにせよ、現時点で選挙戦は李氏と尹氏の一騎打ちの様相を呈している。そんな2人の政策は外交・安全保障ではっきりとした相違がうかがえる。対日外交について、李氏は文大統領の強硬路線を継承するとみられるが、尹氏は北朝鮮との関係改善を優先し、日本との関係悪化を放置したとして現政権を批判している。

尹氏はまた、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮を脅威ととらえ、日米韓の安保体制強化を提唱。中国が反対する地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の追加配備の必要性も訴える。

一方、李氏は文政権を引き継ぎ、米中関係が悪化する中で〝バランス外交〟を重視。中国との経済関係の重要性から、「できるだけ友好関係を維持する」としている。

そんな中、李、尹両陣営では選挙戦前からスキャンダルの暴露合戦や互いに誹謗を繰り返すなどネガティブキャンペーンが過熱しているが、ここにきて有権者を呆れさせる新たな騒動が起きている。

李陣営の選挙対策委員会の「常任委員長」に任命されたとする人物が、ライバル陣営の尹氏にわら人形を使って呪いをかける儀式を行ったとする写真を自身のフェイスブックで公開し、物議を醸していると韓国紙・朝鮮日報が14日報じた。

同紙によると、ナムと名乗るこの人物は13日、「これから『五殺』の儀式を始める」「尹錫悦を民族の名において断罪する」と投稿し、4枚の写真を公開した。五殺とは、過去の王政時代に行われていた処刑方法の一つで、殺害後に頭・胴体・手足をバラバラにするものだ。さらに、「罰を受けるべき人間には五殺で罰を下したい。八つ裂きにしなければならない」などと書き込んだ。

これに対して尹陣営の職員は「共に民主党の選挙運動のやり方が日ましに奇怪になっているが、今後どんなものを見せてくれるのか楽しみだ」と応じた。また、李氏側は、この人物が本当に選対に関わっているのか確認中だとしている。

コリアリサーチなど4社が今月7~9日に行った世論調査によると、「大統領選で誰が当選するか」との設問に43%が尹氏と答え、李氏は34%だった。前回調査は李氏38%、尹氏37%で、今回逆転した。また、好感度は安氏が48%、尹氏が40%、李氏が39%の順だった。1か月前の調査に比べ、李氏は2ポイント下落し、尹氏は8ポイント上昇。道徳性が最も高いと思う候補では安氏が40%、尹氏が16%、李氏が12%となっている。

 

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