2022-02-14 経済

大谷翔平に衝撃 米大リーグのシーズン開幕ピンチ 金満球団の「ぜいたく税」見直しで労使交渉が決裂

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昨シーズンはエンゼルス・大谷翔平投手による投打の活躍で大いに盛り上がった米大リーグ(MLB)。2022年シーズンもファンは〝ショータイム〟に期待する中、シーズン開幕が危ぶまれているというのだ。理由は新型コロナウイルスによるパンデミックではなく、MLBと選手会との労使交渉のもつれだ。

米紙USAトゥデーによると、MLBと選手会の労使は12日、5度目の交渉に臨み、1時間程度の話し合いの中で、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーら機構側は16項目の新たな提案を提示したが、選手会は満足できないとして決裂した。

この問題は、労使双方が2016年に合意した労使協定が昨年12月2日午後2時29分で期限が切れ失効したことで、MLB側は即座に選手を各チームの施設から締め出すロックアウトを実施。その時点で全ての球団はFA選手を含む全ての契約交渉を禁止した。それにより、広島からポスティング制度で大リーグに移籍を目指す鈴木誠也外野手や、マリナーズからFAとなった菊池雄星投手の交渉も宙に浮いた状況だ。

ロックアウトがすでに70日を超えた労使闘争だが、その最大の争点は「ぜいたく税」制度の見直しだ。サラリーキャップとも呼ばれるこの制度は、チームのロースター枠40人の選手に支払う年俸総額が上限を超えた球団に対し〝課税〟するもの。徴収した〝税収〟は年俸額の少ない球団に分配され、一部の豊富な球団が財力で選手を集めることを防ぐことを目的としている。

昨年は全球団のうち、ドジャースとパドレスだけが上限を超過。ドジャースは約3265万ドル(約35億9000万円)、パドレスは少額の129万ドル(約1億4900万円)のぜいたく税をそれぞれ支払った。

交渉の中でMLB側は新たなぜいたく税の提案として、25年までに段階的に上限額を最大2億2200万ドル(約256億円)に引き上げる譲歩案を提示。一方、選手会側は今季の上限を2億4500万ドル(約283億円)に設定し、26年には2億7300万ドル(約315億円)まで引き上げることを要求している。ちなみに21年は2億1000万ドル(約242億円)だった。

また、機構側が提示した最低年俸額をめぐっても選手会側との隔たりは大きいまま。今回も交渉が決裂したことで、次回の話し合いの調整はまだできていない。

USAトゥデーによると、予定通り3月31日にシーズンを開幕させるために、労使双方が合意しなければならない期日は今月末日。たとえその日までに妥結できたとしても、選手は春季キャンプでのトレーニングが必要で、各球団は外国人選手のビザ手続きを進めると同時に、197人の未契約選手との年俸交渉や、300近いFA選手との交渉が残っているといることから、シーズン開幕が遅れる可能性は高い。

そんなMLB労働闘争の歴史を振り返ると、労使交渉のもつれによるMLBのロックアウトは過去3回、選手側によるストライキは5回行われている。最初は1972年のストライキで、13日間実施され、計86試合が中止された。

73年と76年には球団側が17日間にわたりロックアウトを決行。その後、交渉妥結によりシーズンは予定通り始まった。また、90年にもロックアウトが2月15日から32日間続き、キャンプは短縮され、シーズン開幕も1週間遅れた。94年には機構側がサラリーキャップの導入を提案したことに選手会が反発し、232日間に及ぶプロスポーツ史上最長のストライキとなり、ワールドシリーズも中止となった。


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