2022-02-09 経済

チンパンジーの驚異的発見 昆虫を捕まえて 薬にし、自分や仲間の傷に塗る治療していた

自然界のチンパンジーはケガをしたら、どう治療するのか?虫を捕獲し、それを直接傷口に塗るという驚きの行動が初めて観察された。さらに、自分だけではなく、仲間のためにも同様の行為をすることが分かった。英紙ガーディアンなどが8日伝えた。

アフリカ西部の国・ガボンのロアンゴ国立公園で、チンパンジーの群れ45頭の社会行動を調査しているドイツの研究者チームがまとめたもので、米科学誌「カレント・バイオロジー」で発表された。今回の発見は、「チンパンジーなどの動物が、無私無欲に仲間を助ける能力があるか」という科学的論争に一石を投じるものになりそうだ。

「オゾウガ・チンパンジー・プロジェクト」と名付けられた調査は、独オスナブリュック大の認知生物学者シモーネ・パイカ氏らが率いるチームによるもので、チンパンジー同士の関係や、いかに狩りをし、道具を使い、意思疎通をし、学習能力を発揮するのかを観察している。

その調査の最中、けがを負ったチンパンジーを治療する様子が2019年に撮られたビデオ映像で確認されたのだ。

調査チームのボランティア、アレッサンドラ・マスカロさんは、母親チンパンジー「スージー」が、足にけがをした息子「シーア」の手当をする様子を目撃。「母親が何かをくわえていて、それを手でシーアの足に塗り付けるようなしぐさに気づいた」と振り返り、「その夜、撮影した動画を検証してみると、スージーが何かを捕まえ、それをくわえ、シーアの足にできた2センチほどの傷口にあてがっていた」と報告した。

また、同チームの医学生ララ・サザーンさんは、オスの「フレディ」が同様の行動をしていることに注目。これらのチンパンジーが捕まえていたのは、空中を飛ぶ小さな昆虫だったことが分かった。

さらに衝撃的だったのは、すねに大きな傷を負った大人のオス「リトルグレー」の毛づくろいをしていた大人のメス「キャロル」が突然、飛んでいた昆虫を捕まえ、驚くことにそれをリトルグレーに手渡したことだったとサザーンさんは記録した。リトルグレーはその昆虫を傷口にあてがい、続いてキャロルと別の大人2頭が、交代で傷口を撫でたというのだ。

「その3頭とリトルグレーに血縁関係はないことから、彼らの行動は仲間への思いやりによる行為だったようだ」と記した。調査チームはマスカロさんが最初に目撃してから15か月間観察を続け、19頭が自分の傷のために昆虫をクスリとして使用し、3頭は仲間たちのために治療行為をしていたことを確認した。

パイカ氏によると、植物の一部や栄養価の無い物質を使って病原菌や寄生虫に対処するのは、昆虫や爬虫類、鳥類、哺乳類など多くの動物で見られる行動だという。「われわれに一番近いチンパンジーやボノボの場合、抗寄生虫性の植物の葉を飲み込んだり、寄生虫を殺す効果のある化学物質を含んだ苦い葉を噛んだりする」と説明。だが、捕まえた昆虫を傷口に直接塗り付ける治療行動を観察したのは、今回が初めてだと強調した。

「チンパンジーは昆虫を食べるが、傷口の治療に使うことは知らなかった。おそらく彼らは自分たちの食べ物(植物や昆虫、サル、鳥類、爬虫類)について認識しているだけではなく、それらが傷の治癒のために役立つことも分かっているのだろう」と締めくくった。

 

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