2022-05-06

労働騒動理由にイタリア大手食品会社フェレロがマレーシアのパーム油生産者からの購入を停止

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注目ポイント

フェレロ(Forrero)社は、マレーシアのサイム・ダービー(Sime Darby)社が米国の税関の労働権テストに不合格になったことを受け、今後同社から原材料を購入しないと発表した。 外資系企業の撤退が続きサイム・ダービーの株価は下落傾向だ。

フェレロは、米国当局がマレーシアのパーム栽培会社サイム・ダービーが人権を侵害する強制労働に関与していたことを明らかにし、パーム生産国であるマレーシアの評判に深刻な打撃を与えたことから、同社のパーム油購入を中止したと発表した。

ロイターの独占報道によると、フェレロは4月6日、直接的な取引先全てに対し、追って通知があるまでサイム・ダービーからのパーム油とパーム核油の納入を停止するよう要請したとのこと。通達には「 フェレロは米国税関・国境警備局の決定に従う」と書かれていたようだ。

サイム・ダービーはロイターに対し、同業者や利害関係者の印象と立場を守るため、人権の分野で措置を講じたと述べた。 また、「私たちは、主要なステークホルダーと定期的に対話しています」とも述べている。 また、フェレロは顧客ではないことを明らかにした。

パーム油は急速に成長し、比較的安価であることから、食品、化粧品、バイオディーゼル製造などに多く使用されている。 また、保存性や滑らかさなどから食品産業にも広く利用されており、「フェレロ・ロシェ」やヘーゼルナッツチョコスプレッド「ヌテラ」の主原料にもなっている。

過去2年間、米国税関はサイム・ダービーなど東南アジアの5社に対し、強制労働を名目とした原材料の供給を禁止しており、同地域の労働は厳しく監視されてきた。 米国税関は2020年1月、サイム・ダービー社が労働基準に違反している証拠をつかみ、同社の貨物を差し押さえた。

この調査結果を受けて、サイム・ダービーは労働管理と慣行を「根本的に変える」ことも約束した。 昨年、米国の食品会社ゼネラル・ミルズもサイム・ダービーに対して「不買令」を出し、ハーシーズチョコレートは、サイム・ダービーのパーム油が同社の国際事業に入らないように取引先に要請した。

今年1月、マレーシアのM.サラバナン人事大臣は、米国の禁止令が国内投資家に深刻な影響を与えるとの認識から、労働福祉の向上を目指し、2030年までに債務束縛、スタッフの衛生面、不当残業などの問題を解決するための国家行動計画を昨年発表した。

マレーシアでのパーム油労働力は、インドネシア、インド、バングラデシュからの移民労働者が約8割を占め、隣国インドネシアに次ぐ最大のパーム油生産国となっている。 フェレロは、持続可能なパーム油の認証を受けたものしか使っておらず、マレーシアのパーム油はインドネシアのものよりも持続可能性で高い評価を受けているという。

金融サービスCGS-CIMBのプランテーション・リサーチャー、アイビー・ウン氏は、「重要な顧客が去った今、サイム・ダービーはさらなる危機を回避するために迅速に行動することが重要だ。 また、他のバイヤーは、労働騒動が終わるまで同社からの購入を控えることができると付け加えた。 今日現在、サイム・ダービーの株価は4%下落し、マレーシアの主要株価指数よりも低くなっている。

 

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