2022-02-07 経済

北京冬季五輪のスノー競技会場は全て人工雪 温暖化のため天然雪で開催可能な都市が激減

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4日に開幕した北京冬季五輪はスノーボードやモーグル、スキージャンプなど、連日熱戦が続いている。ところが北京圏では今シーズン、降雪がほとんどなく、競技場の雪は全て人口雪なのだ。これは北京だけの問題ではない。世界中のスノースポーツ開催地が温暖化の影響で近年は雪不足が慢性的になり、人工降雪機が不可欠になってきている。

カナダ・オンタリオ州ウォータールー大学が先月発表した調査によると、化石燃料からの排出ガスがこのままの状況だと、過去50年で冬季五輪を開催してきた21都市のうち、今世紀末に天然雪だけで大会を運営できる都市は激減し、札幌だけという結果になった。

米CNNは、気候変動がもたらす異常気象で天然雪が減少し、スノースポーツを開催するためには、もはや人工雪に頼らざるを得なくなるとした。だが、そこには様々な〝副作用〟が生じると指摘する。

まずは人工雪を作り出すために、とんでもない量のエネルギーと水が必要だとし、次に、アスリートにとって人工雪での競技はトリッキーになり、敷き詰められた雪は薄く、クッション性の欠如により安全面でも問題があるとしている。

北京の場合、この冬は深刻な干ばつに直面しているとされるが、平年並みだとしてもスノースポーツに適してはいないという。アルペン競技が行われている市内の延慶区や、バイアスロンなどノルディック競技の会場となっている北京の北西に隣接する河北省張家口市の1年間の平均降雪量は、わずか約20センチ。そのため、会場に設置された約100機の人工降雪機や人工造雪機がフル稼働しているのだ。

人工降雪機はマイナス気温の時に、圧縮した空気と水を噴射し、空気中で凍らせて雪を降らせる機械。人工造雪機も製氷機室でつくった氷を細かく削って噴射するものだ。

今大会に導入されたこれらの機械は、イタリアのテクノアルペン社製で、同社のアジア地区責任者マイケル・メイヤー氏は「北京2022で人工雪製造システムを提供する唯一の企業に選ばれたことを大変誇りに思う」としたものの、北京圏では雪を作るために最も重要な要素が欠けているとした。それは水が十分に凍るだけの氷点下という気温だ。

気象データによると過去30年間、北京の2月の平均気温は氷点以上。ただ、延慶区や張家口市は標高が高いこともあり、最高気温は氷点下にはならないが、最低気温になる夜間はマイナス10度ほどになる。そのため夜間の人工降雪・造雪機の稼働は可能だが、日中はなかなか難しいようだ。

米モンタナ州立大学の降雪・雪崩研究所のジョーディ・ヘンドリックス所長はCNNに、最新技術を使えば氷点下でなくとも稼働できる降雪・造雪機もあると説明。しかし、「想像するようなパウダースノーではなく、固まったもので、あまり柔らかくもない」と続けた。

02年ソルトレイク冬季五輪で、スキーフリースタイルに出場したスコットランドのローラ・ドナルドソン選手は、人工雪で競技することの危険性を訴える。「フリースタイル・スーパーパイプのコースは、雪不足のシーズンは人工雪で作られているが、直角な壁や平面は完全に氷。選手にとっては非常に危険で、亡くなった選手もいる」と語った。

地球温暖化が進む中、室内がメインのスケート競技は可能としても、大量の人工雪が必要となるスノースポーツの未来は多難だ。

 

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