注目ポイント
今回は、それぞれ特色を持った6つの動画配信サービスを紹介する。年々競争が激しくなるこの業界では、ユーザーに多様な選択肢を提供している。過去のこの一連のコラムでは、Netflix、Disney+、Hbo Maxなどの大手動画配信サービスについて、様々な角度から紹介してきた。大手各社もさることながら、会社の大小に関わらず各ジャンルの会社が、動画配信サービス市場に力を入れ始めた今、視聴者にはさらに多くの選択肢が広がった。そんな中で、6つのおススメ動画配信サービスの特徴などを分析してみる。
Chiliで最も人気のあるコンテンツは、もちろん主要のハリウッドスタジオからリリースされたヒット作であるが、それ以外にもヨーロッパやアジアのインディペンデント系映画も少なくない。中には、カンヌ国際映画祭でのパルム・ドールや米アカデミー賞でオスカーを受賞した「パラサイト」もあり、これは昨年、Chiliで最も視聴者が多かった映画の一つである。
将来的にはTVOD(課金型動画配信)方式以外にも、AVOD(広告を視聴することで動画コンテンツを視聴できるサービス)方式にも展開をしていきたい考えで、市場でのより多くの可能性を模索している。
【Filmin】
2008年に設立され、主にスペインとポルトガルで事業展開しており、この地域でアジアやヨーロッパのインディペンデント系映画を多数視聴出来る数少ないサービスであるのに加え、多くのクラシックな名作が揃っているのも特徴である。
一方でユニバーサルやSonyなどのハリウッドスタジオともライセンス契約を結んでいるため、多くのハリウッドの大ヒット作も視聴することが出来る。ある意味「HBOにThe Criterion Channel(クラシック映画やコンテンポラリー系が多い)を加えたサービス」というイメージがぴったりかもしれない。
Filminのライセンス取得方法はとてもフレキシブルで、ヒットが見込まれる映画に関しては著作権を取得しようと試みる。それによって映画が映画館で公開された後には、Filminで最初に配信されるようになっている。
2010年以降、Filminは毎年多くの人に視聴された人気映画の上映祭をオンラインで開催しており、より多くの世界中の映画ファンに推奨している。また、Filmin自身のオリジナルシリーズも製作中である。
【Filmo TV】
フランスの大手映画配給及び販売会社のWild Bunchによって2008年に設立され、同国で最初の音楽・動画配信チャンネルだ。フランス政府は、映画産業を保護するため世界でも類を見ない厳しい規則を設けているのは周知のとおり。映画館で上映される映画は3年間経過しないと動画配信サービスが出来ない。そのためFilmo TVでは、通常3年以上前に上映された映画、もしくはフランスで上映されていない作品を放映している。
とはいえ、これがFilmo TVがユーザーに対し高品質の映画を提供することを妨げることにはつながらない。なぜなら、現在既に主流のヒット作から、インディペンデント系映画、作家のアート映画やクラシック映画など既に4000以上の作品を公開しているからだ。
また、当然Filmo TVには多くのWild Bunchの上映映画館もあり、フランスのジブリアニメーションの独占配信サービスでもある。Filmo TVはフランス国内だけではなく、世界中の作品に対しても積極的にライセンス契約をしているのだ。つまりフランスの映画館で上映計画がなくても、Filmo TVで一番最初に視聴出来るように、あらゆる努力も惜しまない。
原文責任編集者:王祖鵬
原文校閲者:潘柏翰
翻訳者:黄群儒
校閱者:TNLJ編集部