2022-02-07 ライフ

Netflixやdisney+だけじゃない⁉‐想像を超えるサービスが楽しめる6つの動画配信サービス

注目ポイント

今回は、それぞれ特色を持った6つの動画配信サービスを紹介する。年々競争が激しくなるこの業界では、ユーザーに多様な選択肢を提供している。過去のこの一連のコラムでは、Netflix、Disney+、Hbo Maxなどの大手動画配信サービスについて、様々な角度から紹介してきた。大手各社もさることながら、会社の大小に関わらず各ジャンルの会社が、動画配信サービス市場に力を入れ始めた今、視聴者にはさらに多くの選択肢が広がった。そんな中で、6つのおススメ動画配信サービスの特徴などを分析してみる。

 

【Filmatique】

ほとんどのインディペンデント系映画(ハリウッドのメジャースタジオに属していない作品)や外国映画がアメリカで上映される機会は少ない。特に、人口の少ない中部地方ではそもそも映画館自体も少ない。Filmatiqueは、そんな中で観衆と非メジャー映画の架け橋になるべく2017年に設立された。


配信される映画は、社内の専属チームによって選ばれ、毎週1本ペースで更新されていく。このアナログ的な選定方法は、先日紹介したMubiやThe Criterion Channelに似ているように感じるが、Filmatiqueの映画は視聴者が少ないため、予算がかなり限られている。Mubiのように毎年のカンヌ国際映画祭で上映された映画の放映権を獲得することなど出来ないのだ。そのため、filmatiqueはロッテルダム国際映画祭やカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のような、カンヌよりも遥かに小規模な映画祭から作品を選んでいる。


毎週の新作映画とは別に、シリーズものも更新している。例えば、「中東映画シリーズ」や毎年7月には「Filmatique Talentsシリーズ」を出しており、このシリーズは注目の新人監督の作品(通常は処女作、もしくは第2作)を配信している。


Filmatiqueシリーズはもう一つの特徴があり、専属チームは映画評論家や学者たちと共に、映画ごとの紹介や考察なども織り交ぜており、そうすることで視聴者により深く映画を知ってもらおうとしている。


最後にFilmatiqueは現在アメリカやカナダ限定で運営しているが、将来的には他の英語圏への展開も目指しているという。運営費は会員の月額の他に、非会員にも映画を視聴してもらえるよう単体での販売も行っている。


【Shudder】

2015年にAMCによって創設されたShudderは、当初会員招待制のプライベートチャンネルだった(以前大流行したclubhouseのように、招待された利用者しかアカウントを持てないシステム)。ホラー映画ファンが多く、現在では北米、イギリス、オーストラリア、ドイツなどに展開しており、2020年末までで100万人以上ものユーザーを獲得している。


Shudderには現在、恐怖、戦慄、幽霊、虐殺等を題材にした映画ファンが多く、先述の代表カテゴリー外にも、欧米のホラー映画ファン達の想像も及ばないような「隠された宝物(穴場)」のような映画も扱っている。例えば、日本や台湾のアジア諸国で高い興行収入を記録した「カメラを止めるな!」は、Shudderでの配信がきっかけで欧米でも話題になった。


既存の映画以外に、独自の「Shudder Original」作品も毎週配信している。オリジナルというものの、配信形態はNetflixよりもオープンで、一定期間Shudderで配信した後にはiTunes上やDVDでの発売もしており、非会員でも視聴することが可能なのだ。過去には大規模な映画を撮影し、映画館で放映されたケースもある。


【Curzon Home Cinema】

イギリスに住んだことのある映画ファンは、Curzonになじみがあるかもしれない。Curzon傘下の映画制作会社curzon Artificial Eyeは、毎年イギリス、アイルランドでの映画祭で何本もの作品がノミネートされているのだ。この会社の系列の映画館は、毎年ロンドンなど大都市の映画ファンに、たくさんの良質な映画を提供している。


Curzonは2010年にCurzon On Demandを設立し、その後デジタルビデオ配信も手掛けるようになったことで、2013年にCurzon Home Cinemaに改名した。


ユーザーは年間300ポンドの年会費で、毎週Curzonの映画館で5枚のチケットと引き換えることができ、Curzon Home Cinemaで5作品を視聴することも出来る。Curzon Home Cinemaは、非会員に対しても映画の単独販売を行っていて、これを購入し視聴することも出来る。


早くからデジタルビデオ配信サービスを確立していたことから、2020年の新型コロナ禍でで、イギリスの映画館の臨時休業の状況下でも、幸いなことにCurzon Home Cinemaの収益で部分的な運営維持ができ、同時にユーザーもこのサービスによって新作映画を楽しむことが出来た。


【Chili】

2014年にワーナーブラザーズ、ディズニー、20世紀フォックス等のハリウッドスタジオが共同出資して設立したデジタルプラットフォームであるChiliは、イタリアでデビューし、現在ではイギリス、ドイツ、ポーランド、オーストリア等でも展開している。


Chiliは現在、iTunes同様に見たいコンテンツを単体で購入することが出来るため、これらの国ではiTunesの最大の競合相手と言えるだろう。その証拠に2014年のChili設立時、イタリアでは、iTunesが市場の80%以上のユーザーを独占していたのが、現在ではそのユーザーをChiliと半々で分け合っている状況だ。


Chiliで最も人気のあるコンテンツは、もちろん主要のハリウッドスタジオからリリースされたヒット作であるが、それ以外にもヨーロッパやアジアのインディペンデント系映画も少なくない。中には、カンヌ国際映画祭でのパルム・ドールや米アカデミー賞でオスカーを受賞した「パラサイト」もあり、これは昨年、Chiliで最も視聴者が多かった映画の一つである。


将来的にはTVOD(課金型動画配信)方式以外にも、AVOD(広告を視聴することで動画コンテンツを視聴できるサービス)方式にも展開をしていきたい考えで、市場でのより多くの可能性を模索している。

 

【Filmin】

2008年に設立され、主にスペインとポルトガルで事業展開しており、この地域でアジアやヨーロッパのインディペンデント系映画を多数視聴出来る数少ないサービスであるのに加え、多くのクラシックな名作が揃っているのも特徴である。


一方でユニバーサルやSonyなどのハリウッドスタジオともライセンス契約を結んでいるため、多くのハリウッドの大ヒット作も視聴することが出来る。ある意味「HBOにThe Criterion Channel(クラシック映画やコンテンポラリー系が多い)を加えたサービス」というイメージがぴったりかもしれない。


Filminのライセンス取得方法はとてもフレキシブルで、ヒットが見込まれる映画に関しては著作権を取得しようと試みる。それによって映画が映画館で公開された後には、Filminで最初に配信されるようになっている。


2010年以降、Filminは毎年多くの人に視聴された人気映画の上映祭をオンラインで開催しており、より多くの世界中の映画ファンに推奨している。また、Filmin自身のオリジナルシリーズも製作中である。


【Filmo TV】

フランスの大手映画配給及び販売会社のWild Bunchによって2008年に設立され、同国で最初の音楽・動画配信チャンネルだ。フランス政府は、映画産業を保護するため世界でも類を見ない厳しい規則を設けているのは周知のとおり。映画館で上映される映画は3年間経過しないと動画配信サービスが出来ない。そのためFilmo TVでは、通常3年以上前に上映された映画、もしくはフランスで上映されていない作品を放映している。


とはいえ、これがFilmo TVがユーザーに対し高品質の映画を提供することを妨げることにはつながらない。なぜなら、現在既に主流のヒット作から、インディペンデント系映画、作家のアート映画やクラシック映画など既に4000以上の作品を公開しているからだ。


また、当然Filmo TVには多くのWild Bunchの上映映画館もあり、フランスのジブリアニメーションの独占配信サービスでもある。Filmo TVはフランス国内だけではなく、世界中の作品に対しても積極的にライセンス契約をしているのだ。つまりフランスの映画館で上映計画がなくても、Filmo TVで一番最初に視聴出来るように、あらゆる努力も惜しまない。


原文責任編集者:王祖鵬
原文校閲者:潘柏翰
翻訳者:黄群儒
校閱者:TNLJ編集部

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