2022-05-05 調査データ

ウィズコロナ時代における日本のEC市場の現状及び、モバイル決済利用状況の調査報告

© Photo Credit:Shutterstock/達志影像

注目ポイント

新型コロナウイルス感染症によって、消費者の生活様式や購買行動にさまざまな変化が起きているが、その代表的なものに、ECサイトの利用頻度の増加が挙げられる。これまでの緊急事態宣言の発令や外出の自粛要請に伴い、かつては店頭で購入される機会が多かった衣類や食料品、家電といった品目においても、外出をせずとも自宅まで配送してくれる利便性が高く支持され、ECサイトを利用したオンラインショッピングが今や日本社会に定着しつつある。

1. 直近半年間、実際の店舗で購入とオンラインショッピ ング利用が同程度で推移

2022年に行われた「過去半年以内に利用したショッピング方法について」のアンケート調査結果によると、直近6ヶ月間におけるオンラインショッピングを利用した人の割合は83%で、実店舗での購買経験者86%とほぼ等しく、且つ全体の八割を超える数値となっており、オンラインショッピングがコロナ禍において定着してきたことが伺える。

 

2. プラットホームはECモールが各年代共に80%を越え最も多く利用されている

2022年に行われた「オンラインショッピングでよく利用するプラットフォームについて」のアンケート調査によると、オンラインショッピングのプラットフォームでは、利用最多が「ECモール等」、次いで、「ECプラットフォーム」、「個人のオークションサイト」と続く結果となった。また特に「ECモール」が全ての年代を通じて最も頻繁に利用される購買形態となっていることが読み取れる。

 

3. オンラインショッピングでの購入品目は半年前からほぼ変わらず、数値は全体として微増

過去半年以内のEC利用者の4割が、「本、文房具、DVD」を購入しており、昨年9月調査と同様、最も多くの人に購入された商品となった。次いで、「食品、飲料、食事券」、 「衣類、小物」、 「コスメ、ヘルスケア」、「家電、オーディオ・ビデオ、ゲーム」、「衣類、靴(マタニティ、キッズ)」と続く。多くの商品カテゴリーにおいて、割合は前回調査と同様若しくは微増となったが、半年前と比較して、購入商品カテゴリーに大きな相違はなく、コロナ禍でオンラインショッピングの利便性を経験した人が利用を継続しているものと思われる。

 

4. モバイル決済の普及率は54%程度で推移、半年間に進展なし

モバイル決済は全体の54%の普及に留まっており、年代別の普及率に大きな相違はない。昨年9月からの普及率の推移をみると、半年前からほとんど変化がなく、普及が進んでいるとは言えない。また、モバイル決済が最も頻繁に利用されている店舗は、「コンビニエンスストア」となっている。モバイル決済がコンビニエンスストアで頻繁に利用される傾向は、すべての年代で共通しており、コンビニでの買い物がモバイル決済利用の典型的な場面となっている。

 

5. モバイル決済APPの紐づけ方法として登録されている先はクレジットカードが7割超

モバイル決済アプリの紐づけ方法では、クレジットカードが7割強と最も多く、次いで銀行口座/バーチャル口座、デビットカードと続く。紐づけ先については、半年前と比べ大きな差異はない。

 

6. モバイル決済の普及には認知の向上とセキュリティ問題が課題

モバイル決済を利用していない人にその理由を確認したところ、「モバイル決済について知らない」の回答が最も多く、次いで、「セキュリティ上の懸念」、「モバイル決済の使い方が分からない」と続いた。セキュリティに懸念を感じている人は、特に、40歳代から50歳代で多い傾向にあり、また、「モバイル決済」の認知が向上していない点や使用方法について理解が進んでいない点は、シニア層だけではなく、全世代で共通の課題となっている。

 

7. まとめ 

長引くコロナ禍は私たちのライフスタイルに大きな影響を与え、中でもオンラインショッピングの利用者数は全体の8割にまで達しており、実際の店舗でのショッピングの割合とほぼ変わらない水準となっている。半年前に行った同様のアンケート結果と比べても、プラットフォーム、利用率、購買商品カテゴリー等に大きな相違はなく、オンラインショッピングの利便性を経験した人がそのまま利用を継続していることが伺える。またモバイル決済に関しては、こちらも半年前からほとんど変化のない全体の54%程度の普及に留まっており、原因としては認知が向上していない点や使用方法について理解が進んでいない点があげられ、全世代で共通の課題となっている。

以上の結果により、コロナ禍の中で生まれた新しい生活様式と購買行動の変化は、すでに日本の一般消費者の中で定着したということが言えるだろう。これから先、コロナ以前の環境に戻れる日が来たとしても、すでに一度定着したスタイルは、元のように戻る可能性は低いと予想される。今後アフターコロナの時代に向けては、これらのことを踏まえて、事業計画の策定をしていくことが望まれる。

 

調査対象:18歳~60歳の日本在住インターネット利用者

調査方法: Webアンケート
調査期間:2022年3月1日~3月8日

回答数:705名
著者:畔木佳恵

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