2022-05-08 調査データ

コロナ禍の現状に対する実感

注目ポイント

新規陽性者数が全国で10万人を超え、過去最多を記録した2月3日をピークとした第6波は、その後徐々に下降線を描き、3月21日は全ての都道府県でまん延防止等重点措置が解除された。

新規陽性者数が全国で10万人を超え、過去最多を記録した2月3日をピークとした第6波は、その後徐々に下降線を描き、3月21日は全ての都道府県でまん延防止等重点措置が解除された。今回の調査開始時には新規感染者は44523人にまで減少した。しかし、感染者数が減り始めたとはいえ、絶対数は第5波の5倍以上であり、尚且つ、現在、感染の中心となっているのが、感染力が高いと言われるステルスオミクロン株であることから、将来の展望について楽観的になることはまだ難しいと思われる。同時に、これほど感染者数が爆増しているにもかかわらず、第2波、第3波のころと比べて国民や社会が混乱したり、諸活動がそれほど停滞したりしていないように見えるのは、無症状や軽症の人が多く、ワクチンも普及し、諸外国では、マスク着用義務化解除やインフルエンザと同等視するなど、制限が緩和されつつあることが理由ではないかと思われる。

1 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html

現状に対する実感

今年2月以降3回調査連続で、過半数の人が過去1年間の状況が悪化していると答えた。今後1年間についても同じように、2月以前の調査では悪化していると答えた人の割合は30%台だったのに対して、今年2月が46%、3月が42%、4月が44%となっており、連続して40%を超えた。好転すると答えた人の割合も1月以前が11%~18%だったの対して、2月は10%、3月8%、4月8%で、やはり2月をピークとした第6波の影響で、多くの国民が依然として現状を悲観的にみていることがわかる。

 

コロナワクチン接種に対する意識

今回はワクチン接種についても調査を行った。これまでにワクチンを何回接種したか見てみると、一度もワクチンを接種したことがない人が18.3%もいるが、世界的にみて、日本の未接種率(1回もワクチンを接種したことがない人の割合)は高いとは言えない。中国、韓国、ブラジル、イタリアに次いで日本は世界第5位の接種率である。

3回接種完了した人は32.9%となっており、先月調査と比較して、約20ポイント増加している。3回目接種が増え始めた原因として考えられるのは、第6波の襲来による国民の不安の増大、及び、接種機関の1か月前倒しが全世代で決定したことであろう。1~2回目のワクチン接種が、当初予定通り進まなかったのは、供給量そのものが不足し、流通に滞りがあったためだが、3回目接種に関しては、必要性への疑問、副反応への懸念、接種機関の限定など、どちらかというと主観的要素が強い。接種機関の前倒し、緊急事態宣言の解除などによるメリットを鑑み、これら主観的要素がある程度払拭され、国民の考え方に変化があったと思われる。

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