さらに、中国では市民による反政府デモが事実上禁止されている上、都合のいいことにコロナ禍という状況下、当局は大会会場などで外国人による抗議活動を心配する必要もなくなったと同紙は指摘した。
選手や関係者は北京市民からは完全隔離され、競技会場と宿泊施設だけで過ごし、移動は専用レーンを走る特別車両を使用する。大会に携わる中国側のスタッフには長期の隔離期間が課せられ、それまで帰宅できないという。観客についても、北京五輪組織委員会は、従来予定していたチケットの一般販売は行わず、限定して受け入れると発表している。
米ワシントンにある戦略国際問題研究所のビクター・チャ上級副所長はガーディアンに、中国当局による厳格な運営上の規制は、「言い換えれば、いかに中国共産党が閉鎖的なシステムを敷き、この大会を完全にコントロールしたいかということを物語っている」とした上で、「コロナ禍はまさに全てを封鎖するには、格好の理由付けになった」と解説した。
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