2022-04-26 経済

「ゼロコロナ」政策の中国で感染さらに拡大 上海に続き北京でも部分的都市封鎖始まる

© Photo Credit: Reuters / 達志影像

新型コロナウイルスの感染拡大による中国最大の経済都市・上海でのロックダウンに終わりが見えない中、北京でもクラスターが発生し、市内の一部地域で都市封鎖が始まった。経済活動が事実上停止した上海の轍を踏まないようにと、首都では当局者らが感染拡大を回避する手立てを探り、奔走している。

政府の厳格な「ゼロコロナ」政策がさらなる経済悪化をもたらすとの懸念により、中国では25日、株価や人民元が急落。当局がPCRの集団検査や、地区単位の都市封鎖を発表したことで、スーパーマーケットなど小売店には住民が押し寄せ、パニック購入や買い占めでごった返した。

米誌「タイム」などによると、人口約2100万人の北京にある朝陽区では先週末、26件の新規感染者が報告されたとして、一部居住地が封鎖され、住民には今週、3回のPCR検査が義務付けられた。当局者は〝感染爆発〟は「複雑でステルス性が高い」ウイルスの特性によるものだと説明。ここ数日で新規感染者はさらに増える見通しだと述べ、より一層、感染拡大防止対策を強化するとした。

中国政府はこれまで、「ゼロコロナ」政策が国民の命を守り、経済活動を継続してきたとして方針の正当性を繰り返してきた。だが、実際は経済成長に暗い影を落とし、世界のサプライチェーンに混乱をきたしているとタイム誌は指摘する。25日には中国株式もオンショア市場の人民元も過去1年で最安値を付け、鉄鉱石の先物は11%超下落し、中国産原油価格も3%下げて1バレル100ドルを切った。

それでも習近平体制のもとで推し進めてきた「ゼロコロナ」政策を堅持し、北京では朝陽区で部分的ロックダウンに踏み切ったのだ。朝陽区は北京のビジネスの中心地で、外資系企業に加えて多くの大使館もある。同区の人口は約350万人で、外国人駐在員やその家族も多い。

市当局は同区の中の14の地区を「封鎖エリア」とし、別の14地区を「管理エリア」に指定。同区の住民と同区に勤務する全員を対象にして25日、27日、29日に3回の集団PCR検査を実施すると発表。初日となった25日には検査を受けるため、集合住宅の周りに長蛇の列ができたという。

市内のスーパーでは新鮮な肉や魚介類、野菜、長期保存用の食品を始め、トイレットペーパーやマスク、消毒関係の商品など、ほぼ全てが売り切れた。すでに1か月を迎える上海のロックダウンで起きている食料や医薬品不足といった惨状を見た北京の住民が、慌てて買い出しに走ったのも当然だ。北京・海淀(かいでん)区に住む大学院生はロイター通信の取材に、「最悪の事態に備えている」とし、大量のスナック菓子とリンゴ約5キロ分をオンラインで注文したと話した。

一方、長期封鎖が続く人口約2500万人の上海では、新規感染者はやや減少したものの、依然高止まりの状態だ。上海市の当局によると、24日には1万9455人の新規感染者が報告された。同日の死者は51人で、同市で確認された死者数としてはこれまで最多となった。また、重症者も119人に増加した。

上海では一部地区で限られた時間内での外出が許可されてはいるものの、街に出てもほぼ全ての店舗が閉鎖されているため、住居敷地内に留まる人も多いという。ただ、ほとんどの地区はいまだ封鎖されたままで、住民が家から出ることは許されていない。食料の補給は、市当局から不定期に届くわずか数点の食品や、集合住宅の有志がグループでのオンライン購入などに頼らざるを得ず、深刻な食料不足が市民の不満を募らせている。

そんな中、中国西部の主要都市・西安も再封鎖された。英調査会社オックスフォード・エコノミクスは、中国で「(物流の)混乱が今後、数週間続く可能性がある」と予想。市場では今年の成長率は中国政府が目標に掲げる「5・5%前後」に届かず、4%台で終わるとの観測も出始めている。

 

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