そんな中、NATOの中でも中心的役割を担うはずのドイツだが、メルケル首相退陣を受けて昨年12月に発足したショルツ新政権はウクライナ危機をめぐり、同盟国から厳しい批判にさらされている。例えばウクライナからドイツ製の軍艦の提供を求めてきたのに対し、ショルツ政権は軍用ヘルメット5000個を供与するとし、同盟国をあきれさせた。ドイツは世界4位の武器輸出大国だが、ショルツ政権は「抑制的」輸出政策を掲げ、ウクライナへの供与も拒否しているのだ。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは今週、「ドイツは米国の信頼すべき同盟国ではない」との見出しで、「安価なガスと中国向け自動車輸出、プーチンを怒らせないことを最優先する国だ」と酷評した。
ドイツの場合、ほかの大半の欧州諸国よりもロシア産ガスに大きく依存している。そのためロシアが西側への制裁措置としてガス供給を止めれば、ドイツにとっては死活問題になるため、クレムリンを刺激したくないのが本音だ。
ウクライナ危機をめぐり、ジョンソン英首相は西側の結束を呼び掛けているが、ドイツの対応がロシアを利するとの懸念も出ている。
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