「火車叨位去」は、周杰倫が歌う台湾語の歌で、方文山が作詞、周杰倫が作曲、洪敬堯が編曲を担当。アルバム「八度空間」に含まれている。
歌っている周杰倫(ジェイ・チョウ Jay Chou )は、台湾出身の歌手、作曲家、作詞家、そして俳優。マルチなタレントとして若者を中心に中華圏で絶大な人気を誇る。2000年に台湾でアルバム『Jay』でデビュー。
周杰倫は中国語で歌う曲が多いが、台湾語で歌うこともある。周杰倫の音楽スタイルは多種多様で、その中には日本の要素を取り入れた曲も少なくない。この曲は台湾語で歌われており、列車を利用して遠く離れた他の郡や都市で働くことが一般的になり始めた頃の台湾の若者の心情や、身近にいた恋人が地元を離れた後に連絡が途絶えたしまった情景などを表現している。かなりレトロ感が漂う一曲だ。
中国語が主流となっている台湾の音楽界でも、近年は台湾語の歌も徐々に人気を集めている。そして今回は、人気歌手の周杰倫の曲の中から、懐かしい雰囲気の漂う「火車叨位去」をピックアップ。現在風の歌詞が主流となっている中で、昔ながらのノスタルジックな表現をご紹介したい。
火車叨位去
作詞:方文山 作曲:周杰倫
聽我講 莊腳ㄟ路邊 (聽我說 蟬躲在樹枝 )
ねぇ、蝉は枝の陰で
七月天鬧熱ㄟ唱戲 si ra so fa mi (七月天 熱鬧地唱戲)
7月、賑やかな歌を歌っている
聽我講 風景這呢水 火車叨位去 (聽我說 風景這麼美 火車到哪裡去)
ねぇ、景色はこんなに美しいのに、電車はどこに行ってしまうのか?
拿紙筆寫歌思念你 si ra so fa mi (拿紙筆 寫歌思念你)
ペンと紙を手に、あなたを想い歌を書く
車過山洞變成 暗瞑 但是連咪都ㄟ 過去 (車過隧道變成夜晚 但是一下就會過去)
トンネルを抜けると、暗闇もあっという間に過ぎ去ってしまう
按怎你走那個 當時 沒留半張批紙 加字 (為什麼你離開的時候 沒留下半張紙和字)
あなたが去っていった時、なぜ手紙の一つも残してくれなかったのか?
*過去
過去 像溪邊ㄟ田蠳 (過去就像溪邊的蜻蜓)
過去。小川のそばを飛び交うトンボのように
攏是
攏是 逗陣飛ㄟ日子 (都是一起飛翔的日子)
あの頃はいつも一緒に飛んでいた
這時
這時 我像離水ㄟ魚(這時我像離水的魚)
今の私は水から出た魚のように
放抹記
放抹記 剩最後一口氣 (忘記 剩最後一口氣 )
残り僅かな呼吸すら忘れてしまっている