チュラコフ氏が死亡する3週間前にも、同じレニングラードの高級住宅地に住んでいた投資会社ガスプロム・インベストの運輸部門トップ、レオニード・シュルマン氏(60)が刃物でめった刺しされ、血まみれの状態でバスルームの床に倒れているのが発見され、死亡が確認された。
メール紙によると、メモが残されていたが、当局は内容を明らかにしていない。また、発見されたナイフは、倒れていた場所から同氏の手の届かない距離にあったとされる。
一方、スペインで亡くなったプロトセーニャ氏の一家は家族仲が良かったとされ、不正を追及しているSNSテレグラムのチャンネル「トード・アンド・バイパー」は、同氏が家族を殺して、自殺したとは考えられないとしている。
プロトセーニャ氏はキプロスの企業株式をめぐり係争中だったことが判明。14年のロシアのクリミア併合以降、西側からの経済制裁による個人資産凍結を避けるため、ロシア企業の所有者らが自身の存在を隠ぺいしたり、代理人名義にすることが多いとされる。同氏もそれらの工作に巻き込まれ、何らかのトラブルがあったと推測する見方もある。
同氏が副社長を務めたノバテクはプーチン氏の友人で大富豪のゲンナジー・ティムチェンコ氏(69)が共同創業者。プーチン氏が貿易の取り引きはロシアルーブルだけに限るとした最近の勅令から同社は除外され、特別待遇を受けている。同社はまた、プーチン氏の資産を陰で菅理しているとされる幼なじみのピョートル・コルビン氏とも深い関係にあるとされる。
一方、プーチン氏のインナーサークルと強いつながりがあることで知られるガスプロムバンクの副社長だったアバエフ氏は、同銀行を退社して、ロシアの巨大国営コングロマリット、ロステック社の上級幹部の娘と共同でベンチャー企業を立ち上げる計画を立てていたという情報もある。
立て続けに起きた富豪らの死は自殺や心中だったのか、もしくは他殺なのか。ロシアのオリガルヒの闇は深そうだ。
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