2022-01-27

東日本大震災から10年、2021年の福島の「今」(後編)

福島に訪れたことで、福島の放射線、処理水、核食、人口不足の問題についてようやく答えを得ることができた。

福島第一原子力発電所では今日に至るまで、使用停止は確定しているが、現在も廃炉と除染作業が行われている。主な作業は2つに分けられている。1つは反応器工場から燃料を取り出すこと、もう1つは汚染水処理である。除染には30年から40年かかるとも予測されているのだ。

原子力発電所に入る前と出たときに、私たちは放射線測定器を利用して、体内にどれだけの放射性物質が存在するかを測定した。機構に入る前後に1500 cpm(cpm: 1分間に計測される放射線の数)以上の数値が増えると、体内に放射線物質が取り込まれる可能性がある。それ以外、ガイガーカウンター(Geiger counter)という放射能空間線量計も付いていた。この機械は主に見学中に露出した放射線量の多寡を測定するためであった。

私たちは事故にあった1号機、2号機、4号機を見学することができた。原子力発電所の奥に入るには防護服に着替える必要があるが、他の場所では手袋や靴下などの簡単な装備を身につけるだけであった。福島第一原子力発電所5号機の内部にも入れた。原子炉の上の蓋に立たせたほか、12メートルの水たまりの下に沈んだ燃料棒も見られた。原子炉には一度に500本以上の燃料棒が挿入され、燃料棒を交換するときは完全にロボットの腕で行われていた。なので、スタッフが放射線環境にさらされる心配はない。

実際に内部に入ってみると、想像以上に規制されているという印象があり、そこで働いている人は専門意識を持ち、最善を尽くしているという印象も強く受けた。

汚染水に関しては、去年、日本政府は2年後に核汚染廃水を海に排出すると発表した。私たちは、採取した汚染水を除染手続きで赤褐色から完全に透明になる瞬間を現場で見られた。除染された水は極めて微量の放射線成分しか残っていなかった。

今のところ、処理水について明確な対処法を知っている人はいない。私たちも東京電力の人が安全であると聞いただけである。いずれにしても、将来的には、関連情報が透明化され、もっと多くの人に知ってもらいたい。なぜなら、人は目に見えないものを恐れるが、知識を得て実際に現場を見ることで恐怖が消えるからである。

福島第一原子力発電所以外に、大熊町のイチゴ工場「ネクサスファーム」へも訪問した。工場長の徳田さんによると、「皆さんに安心してイチゴを食べさせるために、どのイチゴも放射能指数検査を行っていて、指数が正常なイチゴだけが包装されます。」私たちにも包装の工程を見せてくれた。

まだ福島に訪れてなかったときは、ニュースでしか知識を得ることができなかった。でも本当はメディアの情報だけではなく、現地の状況を自分の目で確かめなければならない。事実を知ってこそ、正しい情報を伝えることができるのだ。

正直、福島第一原子力発電所に足を踏み入れる機会があるとは思わなかった。ましてや現地に1週間泊まって、福島・大熊町を愛している住民たちと直接会って話を聞くことも。この貴重な機会のおかげで、私は福島が直面している多くの課題と、現地の人たちがどのように向き合っているのかを深く理解することができた。

今回福島に訪れたことで、福島のすべてが私の心に深く残った。まだ訪れたことのない方々にもぜひ福島に足を運んでほしい、福島の今を自身の目で確かめ、触れてほしい。そして、私は今後もこんな素敵な福島を発信し続けていきたいと思っている。



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