2022-01-20 経済

「ロシアによる攻撃はいつ起きてもおかしくない」 緊迫増すウクライナ情勢 21日に米露緊急協議

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ウクライナ情勢が一段と緊迫してきた。米国のブリンケン国務長官は21日、ロシアのラブロフ外相とスイス・ジュネーブで急きょ会談することが決まった。「いつ起きてもおかしくないロシアによるウクライナ侵攻」を阻止し、事態を打開できるか重要な局面を迎えている。そんな中、ロシアはウクライナの首都キエフにある大使館から、スタッフや家族を撤退させ始めたことがわかった。

米紙ワシントン・ポストによると、ブリンケン氏はその足でジュネーブからウクライナとドイツを訪問し、対応を協議する。一方、ロシアはウクライナ東部の国境付近に戦車旅団など10万人規模の兵力を集結。それに加え、ウクライナ北部に国境を接するロシアの同盟国ベラルーシでも、新たに動員した部隊を大規模な軍事演習に参加させ、圧力を増大させている。

ロシアの狙いは一体何なのか。同紙によると、モスクワが求めているのはウクライナとロシア南部に国境を接するジョージアが、西側の軍事同盟であるNATO(北大西洋条約機構)に加盟しないという保証を西側が明文化することだ。

2014年にロシアがウクライナの領土だったクリミアを併合後、ウクライナの新政権はロシアを盟主とするユーラシア経済連合ではなく、欧州連合(EU)との提携を選択し、西側との関係を強化してきた。さらにウクライナがNATOに加盟し、西側の核ミサイルを国内に配備すれば、ロシアにとって安全保障上の脅威になると主張しているのだ。

そんな緊張が続く中、ロシアは先週、米国、EU及びNATOと緊急協議に臨んだが進展はなく、不満を示す声明を発表したことや、一連の軍事行動などから、米政府内では最悪の事態を懸念する声が出ているとワシントン・ポスト紙は伝えた。

ホワイトハウスのサキ報道官は18日の記者会見で、「ロシアによるウクライナへの攻撃は、いつ起きてもおかしくない」と危機感を募らせた。ただ、ある国務省高官は同紙に、「ブリンケン氏とラブロフ氏がスイスで会うということは、外交努力はまだ終わっていない」との見解を示した。

同高官は「われわれはロシアとの安全保障問題について、今後も互いに有意義な対話を継続していくつもりだ」とし、「21日の協議でロシア側も同様の考えなのか確認することになる」と述べた。

その一方で気になる動きが伝えられている。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ウクライナの首都に駐在している大使館関係者の妻や子供たちのほとんどが今月5日、バスに乗り、15時間かけてモスクワに帰国したというのだ。

その翌日からも数日にかけ、さらに約30人がキエフの大使館とウクライナ西部リヴィウにある領事館からロシアに向け出国。残り2か所の領事館にも帰国命令が出ているようだとウクライナの政府関係者が匿名を条件に同紙に明かした。

ニューヨーク・タイムズ紙は、「外交官の撤退をどう解釈するかは、プーチン露大統領の次の一手を読む上での謎解きとなる」とし、ウクライナと米国の政府関係者は「プロパガンダなのか、軍事衝突への準備なのか、あるいはただのフェイントなのかも知れない」と分析した。

 

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