僕たちは日本の若手建築家のPERSIMMON HILLS architectsを主宰する柿木佑介と廣岡周平です。日本では、木を加工するシステムが発達しており、木造の住宅を初め、様々な新築の建築を作る機会があり、建築設計を仕事にしている方は大勢います。その中でも社会で行われる慣例とされているものや産業に対して、批評的な態度で美しい場所を生み出してく設計者を建築家と呼びます。僕たちの仕事はまだまだ小さいけれど、日々の実践の中で大きな気づきがあります。そういった気づきを皆さんに共有できれば嬉しいです。
そもそも設計とは何なのか?っということを一緒に考えましょう。

[fig1] ©PERSIMMON HILLS architects
僕たちは何らかの形を生み出す際に、まずは最初に「思い(happening)」があります。それはもやもやしていて、言葉にもなっていないものです。それを「構想や計画(planning)」で、どうやったら形にできるか、を考える手段や手法、見方という「型(type)」を見出して、建築や図面、文章、といった「形(shape)」にする。そういったおもいから形に至るプロセスのことを僕は設計と呼んでいます。その逆で形からその思いを読み取ることが批評なのだと考えます。
だからこそ「思い」が世界を変えるのです。
このことは、僕たちの設計した「宝性院観音堂」のプロジェクトの中で気がつきました。
この宝性院観音堂というのは宝性院という寺院の中にある街道のそばにある木造の平屋の宗教施設です。[fig2]完成してからは宗教的な行事だけでなく、コンサートや結婚式、落語会、マルシェ、映画会、展覧会と宗教色の薄い、公共的な行事が行われています。[fig3]

[fig2] ©Kai Nakamura

[fig3] ©PERSIMMON HILLS architects
通常お寺というのは仏像と対面するように開くことが多いのですが側面を大きく開くことで、祈っている方々や過ごしている方々を仏様が見守っているような敷居の低さを感じさせます。[fig4]

[fig4] ©Kai Nakamura
質感のある塀のような収納・霊安室・ギャラリー兼ホワイエ・水回りといった4つのボリュームの上に三角屋根と4枚のいた屋根を載せたような建築です。[fig5]

[fig5] ©PERSIMMON HILLS architects