2022-01-18 政治・国際

台湾はいつも元気いっぱい(第1回)

© Photo Credit: Reuters / TPG Images

―もういくつ寝ると―

毎年恒例、台湾の年越しイベント101カウントダウン花火が大晦日0時に点火された。今回は101ビルに霞がかかっていて鮮やかさに欠けたが、それはそれで何とも言えない風情があってよかった。あれから3週間経つが、ここ台湾では年末から年始にかけて正月気分はほとんどない。ご存じの通り、台湾では農歴で正月を祝う。いわゆる旧正月である。今年は2月1日が農歴の1月1日にあたる。スーパーやデパートでは中国風の正月BGMが流れている。正月飾りも棚に並び始めた。毎年のことながら、クリスマスと並んでちょっと気分が高揚する季節である。大手スーパーでは夕食前のピーク時になると、今までと変わらずレジに長い列ができる。

ドライフルーツや漢方薬、干し鮑、燕の巣、乾燥フカヒレなど、伝統的な台湾食材を売っている街、迪化街(ティホアジエ)も、旧正月前は特に大盛況である。

筆者は先日、台北SOGOのバイキングランチに行ってきた。1か月前に予約して、ようやく席が取れたが、ここも入店するのに長蛇の列ができていた。日本でもお馴染みの、小龍包で有名な老舗レストラン鼎泰豐(ディンタイフォン)は整理券をもらって30分~1時間くらい待たなければならない。また、日本から進出した大手定食チェーン店やよい軒では空席待ちの行列ができていたので、店内での食事をあきらめて、ヒレカツをテイクアウトにしようと思ったが、テイクアウトも40分待ちと言われて、これもあきらめた。

(Photo Credit: AP / TPG Images)

農歴の12月16日は「尾牙(ウェイヤー;忘年会)」である。一年の最後の週に土地の神様に感謝し、ご馳走を捧げる日である。日にちは主催者の都合によって前後するが、刈包(グワバオ;豚の角煮を挟んだサンドイッチのようなもの)を食べたり、車や液晶テレビが当たる豪華抽選会をやったり、毎年華やかに尾牙が行われる。桃園市(中正国際空港がある町)では複数の人が新型コロナに感染したので、市政府主催の尾牙が中止になったが、桃園以外では、外国人観光客や出張者の激減にもかかわらず、今年も500人から800人くらいの規模の尾牙が、業界団体や企業ごとに、歌手やダンサーのショーといっしょに、ホテルのレストランなどで盛大に行われた。コロナ禍の防疫・自粛など、どこ吹く風である。2021年の経済成長率が6%を超えたというのもうなずける(「2021年大きな躍進を遂げた台湾経済」参照)。

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