彼女とは、苦手な理由や食べることができる量や調理法などを個人面談し、チャレンジを積み重ねていくことにしました。
個人面談時には、好き嫌いが多く食べるのが遅かった私の体験を彼女に話していきました。私は祖母からこう言われて育ちました。
「食の好き嫌いは人の好き嫌いにつながり、苦手なことが増えていく。だから、残しても良いから、少しずつでも食べなさい。大人になったら、そのうち食べることができるようになるよ。誰とでもいろんなものが食べられるよ」そのことを彼女に伝え、今は苦手なものがあるけど、少しずつチャレンジしていこうね、と励ましました。
そして、でき上がったおかずを必ず家族の誰かに食べてもらうことにしました。保護者の理解のもと、計画や買い物の事前準備に積極的に取組み、当日を迎え、苦手な食材を調理に使い、そのことを説明する彼女の姿は、一歩も二歩も前進していました。
田中さえ子
養護教諭として幼稚園、短大を経て、公立小学校に35年勤務。長年、歯と口の健康教育に取り組む。平成20年度文部科学大臣優秀教員表彰、同年度福岡県優秀教員表彰。平成22年、福岡県春日市立須玖小学校に勤務時に「弁当の日」と出会い、5年間、同校で「弁当の日」を実施。同小学校では現在も「弁当の日」が継続して実施されている。現在は、日田市こども園るんびにいの非常勤養護教諭を務めるほか、福岡県新規採用養護教諭研修指導員。
#弁当の日応援プロジェクトは「弁当の日」の実践を通じて、健全な次世代育成と持続可能な社会の構築を目指しています。より多くの方に「弁当の日」の取り組みを知っていただき、一人でも多くの子どもたちに「弁当の日」を経験してほしいと考え、キッコーマン、クリナップ、クレハ、信州ハム、住友生命保険、全国農業協同組合連合会、日清オイリオグループ、ハウス食品グループ本社、雪印メグミルク、アートネイチャー、東京農業大学、グリーン・シップとともにさまざまな活動を行っています。