注目ポイント
新型コロナウイルス感染症の大流行により多くの産業が苦境に陥るなか、生活様式の変化が巣ごもり需要を喚起したことにより、ゲーム業界は業績が好調に推移している。日本では家庭用ゲーム機が普及しているため、海外のeスポーツで主流となったPCゲームの発展が少し遅れていたが、東京五輪のプレイベントでのeスポーツ採用等により認知度が高まり、eスポーツ大会の開催数増加や規模の拡大によりプレイヤーやファンが増加しており、今後のeスポーツ市場のさらなる発展が見込まれている。今回の調査では、ゲーム産業のうち、eスポーツに焦点を当て、その関心度や利用実態などの側面から当該市場の現状及び将来の発展を考察する。
図3:eスポーツの利用状況

2022年度(12月1日~3日)の調査によると、eスポーツをプレイしている人は全体の6%で、プレイヤー4人のうち3人は男性(男性76%、女性24%)となっている。平均プレイ時間は、平日・休日ともに3時間以下とする人が全体の約8割を占めており、約半数の人が一日平均3時間弱プレイしている。
4.eスポーツイベントの参加方式は?
ライブ配信をみたり、ゲーム競技などの観戦が人気
ここでは、過去3個月におけるeスポーツイベント参加の有無と参加方式について、オンラインアンケート(2022年12月1日~3日)の調査結果を報告する。
設問4:過去3ヶ月間で、eスポーツゲームに関する以下の活動に参加したことがありますか。
図4:過去3ヵ月で、eスポーツイベントの参加状況

過去3ヵ月で、eスポーツのイベントに参加した人の割合は14%となっており、そのうち、約7割が男性となっている。eスポーツのイベントでは、「自宅でのライブ配信(61%)」と「ゲーム競技や動画の再放送(59%)」の人気が高く、両方ともに、何等かのeスポーツイベントに参加した人のうち、6割の人がこれらの活動を楽しんでいる。
5.競技種目としてのeスポーツへの期待
肯定的な回答は3割程度に過ぎなかった
ここでは、スポーツ競技種目としてのeスポーツへの期待度について、オンラインアンケート(2022年12月1日~3日)の調査結果を報告する。
設問5:. eスポーツは将来、スポーツ競技種目となって欲しいと思いますか。
図5:eスポーツの将来的な発展について

2022年度(12月1日~3日)の調査によると、eスポーツが将来、スポーツ競技種目になることに肯定的な人の割合は、全回答者の約3割となっており、性別からみても、全回答者とほぼ同じ程度であった。ゲームプレイヤーに限れば、7-8割が支持しているものの、非ゲームプレイヤーの支持率は3割に届かなかった。
6.国民は日本でのeスポーツ普及に意欲的だろうか?
全回答者の4割弱が支持、eスポーツプレイヤーの9割が支持
ここでは、日本におけるeスポーツ普及に対する期待度について、オンラインアンケート(2022年12月1日~3日)の調査結果を報告する。
設問6:日本でeスポーツをもっと普及させるべきだと思いますか。
図6:日本でeスポーツを普及させるべきか?

日本でeスポーツをより普及させるべきだと考える人は全体の35%で、ゲームプレイヤーでは85%、非ゲームプレイヤーでは3割程度となっている。また、女性よりも男性の方がやや支持者が多い傾向にある。