注目ポイント
新型コロナウイルス感染症の大流行により多くの産業が苦境に陥るなか、生活様式の変化が巣ごもり需要を喚起したことにより、ゲーム業界は業績が好調に推移している。日本では家庭用ゲーム機が普及しているため、海外のeスポーツで主流となったPCゲームの発展が少し遅れていたが、東京五輪のプレイベントでのeスポーツ採用等により認知度が高まり、eスポーツ大会の開催数増加や規模の拡大によりプレイヤーやファンが増加しており、今後のeスポーツ市場のさらなる発展が見込まれている。今回の調査では、ゲーム産業のうち、eスポーツに焦点を当て、その関心度や利用実態などの側面から当該市場の現状及び将来の発展を考察する。
1.どれぐらいの人がeスポーツに興味を持っているのか
eスポーツに興味がある人は、全回答者の2割弱しかいない
コロナウィルス大流行で、室内でできる娯楽への需要が高まり、ゲーム業界ではこれまでにないほどの売上向上に反映したが、eスポーツの日本市場への参与にも大きく期待ができるのであろうか。ここでは、日本国民のeスポーツへの興味・関心について、オンラインアンケート(2022年12月1日~3日)の調査結果を報告する。
設問1:eスポーツに関心がありますか。
図1:eスポーツへの関心

2022年の「eスポーツへの関心」についての調査によると、eスポーツに関心のあると答えた人は全回答者の17%(やや関心がある12%、非常に関心がある5%)に過ぎなかった。男女別では、男性24%(やや関心がある15%、非常に関心がある9%)、女性10%(やや関心がある9%、非常に関心がある1%)で、男性の方がeスポーツに対して関心が高い結果となった。
過去のゲーム調査でも、男性は女性よりゲーマー傾向があるとされ、eスポーツにおいても性別で好みがはっきり分かれている。
2.eスポーツコミュニティの現状は?
コミュニティ利用者は1割弱で、圧倒的人気のあるコミュニティもなし
コミュニティがユーザーを育むと、ユーザーからの利益が生じ、コミュニティが潤うことでプロゲーマーが誕生するため、eスポーツの普及には、コミュニティーの成功がかかっていると言われている。ここでは、eスポーツのコミュニティ利用状況について、オンラインアンケート(2022年12月1日~3日)の調査結果を報告する。
設問2:よく利用するeスポーツ関連のコミュニティはどれですか。
図2:よく閲覧するeスポーツのコミュニティ

2022年の「よく閲覧するeスポーツのコミュニティー」についての調査によると、eスポーツのコミュニティー利用者は全体の1割弱(7%)で、圧倒的に人気のあるコミュニティーも存在せず、多種多様なサイトが設立されているのが現状であるとの結果となった。
3.eスポーツプレイヤーの実態は?
eスポーツプレイヤーは全体の1割未満、男性が圧倒的に多い
ここでは、日本国民のeスポーツ参与とプレイ時間について、オンラインアンケート(2022年12月1日~3日)の調査結果を報告する。
設問3:現在、eスポーツゲームをプレイしていますか。(SF オンライン、スペシャルフォース2、スタークラフト、リーグ・オブ・レジェンドLOL、AVA Battlefield Kingなど)