2022-01-12 経済

“ジョコビッチ騒動”が外交問題に発展 オーストラリア・セルビア両首相が会談

© Reuters / TPG Images

 

ナブラチロワ氏は「ノバクは最初からワクチン接種をしておくべきだった。彼を敬服しているが、ワクチン接種をしないという選択には同意できない」と切り捨てた。

 

また、ジョコビッチのライバルであるラファエル・ナダル(35=スペイン)は、自国のラジオ番組で「彼の幸運を願う」としながらも「今、世界で最も大切なことはワクチンがこのパンデミックとコロナ禍の20か月を終わらせる手段だということだ」として、ワクチン接種を拒むジョコビッチを遠回しに批判した。

 

そんな中、昨年12月16日にコロナ感染が判明したにも関わらず、ジョコビッチはその翌日、セルビアの首都ベオグラードで行われた同選手を称える記念切手発行の式典に、マスクを着用せずに出席していた。その際、記念の盾を受け取る写真を自身のツイッターに投稿していたことが判明。

 

さらに同日、ジョコビッチは21年に活躍したセルビアの若手テニス選手を表彰するイベントにもマスク無しで出席し、約20人の受賞者たちに記念品を手渡すプレゼンターを務めていたことも明らかになった。ジョコビッチを囲んで受賞者やイベント関係者らが一緒に撮った数枚の記念写真も確認されている。

 

実はジョコビッチは20年6月にも新型コロナウイルスに感染。世界的なパンデミックが急速に感染拡大していた時期で、同選手が主催したエキシビション大会で、自身を含め多くの参加者が感染。そのときは「私たちは間違っていたし、(開催は)早すぎた」として謝罪していた。

 

ジョコビッチの行動については、「多くの人に感染リスクを負わせた」「あまりに無責任」などとSNSで非難する声が広がる一方、ファンは同選手の全豪オープン4連覇に期待し、声援を送っている。

 

豪州当局は近く入国ビザについて新たな判断を示すとみられるが、いずれにせよ、ジョコビッチの危機意識の欠如が引き起こした一連の騒動であることは間違いない。

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