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2022-01-28 調査データ

コロナ禍の現状に対する実感調査

© Photo Credit:iStock

注目ポイント

 去年11月8日に南アフリカで感染力が強いと懸念される新種の変異株が発見された。同月26日にその変異株は「オミクロン株」と命名された。その直後の同月30日、日本で初のオミクロン株感染者が確認された 。 そしてその直後にこの調査が行われたため、コロナ収束を期待していた人たちは再び不安感が増し、経済活動を引き続き自粛する人と、政府の水際対策を高く評価し 、楽観視する人に分かれた。 最近数か月、コロナの新規感染者数が全国的に激減してきたが、国民の不安が再燃しそうである。その一方で楽観的な人は、この調査の前後でオミクロン株に感染した8人にうち8人全員が無症状 だったことから、経済活動を再開する準備を始めた人も多い。

 

  旅行のために支出する予算もすべての年代で減少が増加を上回っている。16~29歳代が減少17%に対して増加は12%、30~39歳代は減少24%、増加17%、40~49歳代は減少25%、増加13%で2倍近い差がついた。50~60歳代は減少31%、増加11%で、この年代は3倍の差がついている。突然のオミクロン株出現でどうしたらいいかわからない人が多く、Go To トラベルをとりあえず自粛したのではなかろうか。

 

  アルコール飲料に対する支出予算は、全世代で8割前後の人が現状維持を想定している。新型コロナ新規感染者数が急減し始めて約一か月たったころ、首都圏や関西圏など各地で、2か月前の10月から酒類提供が緩和された結果4、クリスマスや忘年会での外飲みを計画している人が増えたが、コロナ禍で定着した家飲みもこのまま継続するだろうということで、支出予算はあまり大きく変化しないで、現状維持想定が8割まで増えたと考えられる。支出予算が変化すると答えた人は、16~29歳代で増加が7%なのに対して減少が9%、30~39歳代は増加13%、減少14%の僅差、40~49歳代は増加も減少も共に11%、50~60歳代は増加が12%、減少が15%で、40~49歳代以外すべて減少の方が多い。

 

  今回の調査では、直前に発生したオミクロン株に対するもやっとした不安で、支出予算は軒並み減少予想となり、特に感染の可能性が高いと思われる旅行を自粛、または延期しようとする人が多く、全世代回答者の24.7%が予算減少を想定している。一方、アルコール飲料の消費については、店飲みも家飲みも消費を抑える理由がなく、それが予算減少想定1割強となっており、増加を見てもあまり差がなく、こちらも1割強となっている。

 

コロナ禍の現状に対する実感調査

調査対象:16歳~60歳の日本在住インターネット利用者

調査方法:インターネットによる調査

調査期間:2021 年 12 月 1 日~ 12 月 3 日

回答数:1052名

著者:橋本行平

 

[1] 国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/images/cepr/covid-19/b11529_4.pdf

[2] 読売新聞12/6 https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20211206-OYT1T50000/

[3] 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22721.html

[4] 時事ドットコムニュース https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092800114&g=pol

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