2022-04-11 調査データ

コロナ禍の現状に対する実感

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注目ポイント

本調査は、新規感染者数がこれまでにない数にまで達した状況のもとで行われた。

2019年暮れに中国から新型コロナウイルスの世界的パンデミックが始まった。日本は2020年4月11日に第1波に襲われ、ピーク時には1日当たり(以下全て1日当たりの数)の感染者720人を出した。次は同年8月7日の1605人をピークとする第2波で、翌2021年1月8日には第3波が襲来、この時は感染者が急増して7956人を記録した。その後、一旦感染者数は減少したが、5月8日に7234人の感染者を出す第4波に見舞われた。第5波は東京オリンピック直後の8月20日で、感染者数は一気に増加して25995人となった。しかし秋から冬にかけて感染者数は急速に減り、一時は全国で100人以下にまで減少し、コロナ禍収束かと期待されたが、今年に入り、感染力の極めて強い変異株であるオミクロン株が猛威を振るい始め、2月3日にはついに全国の感染者数が初めて10万人を超えた。この第6波は2月上旬から新規陽性者数が減少し始め、今回の調査を始めた3月1日には感染者数は6.5万にまで減り、まん延防止等重点措置が全国で3月21日に終了する予定であることが厚生労働省から発表された。

1 ヤフーJapanニュース2022年4月1日 

  https://news.yahoo.co.jp/articles/83b58aeb9f1fe6beb04629925e2e66e1fb127eab

 

日本国民の現状に対する実感

過去1年間の日本の状況が好転していると感じている人は2021年10月調査では4.4%だったが、新規陽性者数が激減してから11月が8.8%、12月が7.7%、2022年1月が7.6%と上昇傾向がみられた。2月上旬に第6波に襲われ、感染者数が10万人を突破してからは2月調査2.1%、3月調査1.7%というふうに好転していると答えた人は非常に少ない。一方、悪化していると答えた人は2月61.4%、3月63.9%と過半数を占めている。今後1年の日本の状況について、去年10月からずっと10%以上の人が好転すると感じていたが、今年2月の調査では9.9%、3月調査では8.3%にまで微減、それに対して悪化すると答えた人は2月46.8%、3月42.3%で、多くの国民が現状を悲観的にとらえていることがわかる。 

 

今後1か月の支出予算の変化

今後1か月の支出予算が増加するか減少するかを年代別に調査した結果、全回答者のうち約6割の人が現状維持であった。増加予想と答えた人は13.9%、減少予想は27.7%というふうにダブルスコアになっており、これは先月とほぼ同様で、消費意欲の停滞が続いていることがわかる。年代別に見ると、30~39歳、40~49歳、50~60歳全てで約3割の人が予算減少を想定しているが、18~29歳では予算減少を想定している人の割合は22.8%と最も低い。これは、若い世代は進級・卒業、送別会、春の行楽など、支出が増加する行事が続くことと同時に、第6波による重症化や死亡率、病床使用率などがこれまでと比較して、さほどのリスクに感じられないことと関係があるのではなかろうか。50~60歳の人の約2割が、支出予算が増えると予想しているが、他の年代では10%を少し超えるほどしかいない。50~60歳の年代はちょうど20歳前後の子供の親世代に当たっており、卒業、進学、入学、入社など、自身や家族の新年度の行事に費用がかかることを予想しているからと考えられる。

支出予算をカテゴリー別に見ると、旅行、外食、娯楽各カテゴリーで63%の人が、また、石鹸、消毒用アルコールなど家庭用品の消費では83%の人が現状維持と答えている。家庭用品の予算を見ると、全ての年代で増加予想が減少予想を上回っており、オミクロン変異株による新規陽性者の激増に対して、手洗い・消毒・マスク着用などで一人一人が乗り切ろうとしているように思える。これは、副反応の危惧、必要性に対する疑問、接種間隔の長さなどの理由で、3回目のワクチン接種が10%しか完了しておらず、在宅勤務やリモート授業、飲食店の営業時間自粛なども著しい効果が見られず、自己防衛する人が増えてきたからであろう。一方、旅行、外食、娯楽分野に関しては、前回調査に比べて消費意欲の高まりがみられる。しかし18~29歳以外のすべての年代では、増加予想が4~8%に対して、減少予想の割合が30%以上となっており、やはり減少予想の方がはるかに多い。

 

長く続くコロナ禍の中で、まん延防止等重点措置の実施終了発表や、閉塞感の打破、新年度の行事などに加え、新規感染者数、重症者数、死亡者数、PCR検査、ワクチンなど、コロナに関するニュースのマスメディアへの露出が大幅に減っている。2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、テレビニュース、インターネット、新聞、雑誌、情報番組などで取り扱う話題がほとんどウクライナ情勢となり、コロナ関連情報に取って代わったことによって、若者の緊張感が多少薄れつつあるのではないかと思われる。

 

調査対象:18歳~60歳の日本在住インターネット利用者
調査方法:インターネットによる調査 
調査期間:2022年3月1日~3月8日
回答数:705名
著者:橋本行平