2022-04-08 経済

台湾が基本給で日本や韓国に追いつけない現状1人当たりのGDPは両国に追いつきつつあるが…

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注目ポイント

数字上では、台湾の1人当たりGDPは韓国や日本に追いつこうとしているが、労働者にとって、その恩恵は微々たるものである。なぜなら台湾の基本給は現在、日本や韓国の半分程度であり、労働者が経済成長の恩恵を受けていないことは明らかである。

1人当たりGDPは2028年には日本を上回り、韓国に次ぐ2位になると予想されているが、台湾の労働者にとってはまだ意味のないことである。

日本経済研究センターが先月発表した予測によると、台湾の1人当たりGDPは2028年までに47,305米ドルに達し、日本の46,443米ドルを上回るといい、一方の韓国の1人当たりのGDPは2027年には46,519米ドルに達すると予測されている。


 

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一人当たりのGDP

しかし、台湾の労働者は1人当たりのGDPが日本や韓国並みになったとしても、その恩恵を受けることはできないだろう。


今年、韓国と日本の基本給はそれぞれ46,718元(1,914,440ウォン)、41,128元(161,643円)に上昇したが、台湾の基本給はまだ25,250元で、韓国と日本の基本給のそれぞれ54%、61%に過ぎない。過去6年間の基本給の年間増加率で計算すると、2028年には韓国は70,969元、日本は49,932元まで増加するが、台湾は31,865元までしか増加しないと試算されている。

つまり、台湾のGDPは日本を超え、韓国と同等になるが、それでも台湾の基本給は韓国の半分以下(45%)、日本の3分の2(66%)に過ぎない。その結果、台湾の1人当たりのGDPは、台湾の労働者にとってほとんど意味を持たず、その賃金は近隣諸国と比較して、依然として非常に少ないのである。

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基本給

2020年の給与の中央値を比較すると、日本では88,210元、韓国では70,153元、台湾では41,500元となる見込み。 台湾の給与の中央値は、日本(47%)、韓国(60%)のおよそ半分に過ぎない。

過去8年間の年収増加率でみると、日本と韓国の給与の中央値は2028年までに9万元以上に増加し、それぞれ9万1496元、9万477元に達する見込みだ。しかし、台湾の給与の中央値は47,323元への増加にとどまり、日韓の半分に過ぎない。

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給与中央値

 

仮に台湾の基本給を日本や韓国の基本給や生活費に当てはめた場合でも、台湾の基本給は現在31,064元で、韓国に当てはめても37,784元になる。

台湾の基本給の過去6年間の上昇率から、日本や韓国と同じように計算すると、2028年には台湾の基本給は41,039元、52,772元まで上昇することになる。しかし、現在の台湾の基本給では、31,865元までしか増加しない見通しだ。

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台湾の基本給


 

これらの国の基本給を1人当たりGDPと比較すると、韓国の基本給は1人当たりGDPの15.3%から2020年には60.7%に上昇していることが分かる。日本でも、1988年に30.4%だった基本給が、2020年には44.6%まで上昇している。だが台湾では、基本給が1人当たりGDPの45.4%から34.0%へと逆に下がっている。

以上の予測から、韓国と日本の基本給は、2028年までに1人当たりGDPの60%、45%程度で推移し、上昇を続けるものと考えられる。しかし、2028年には、台湾の基本給はさらに下がり、1人当たりGDPの28.9%になる可能性がある。

日本と比較する場合、台湾の基本給は3万元程度、韓国と比較する場合、4万元程度が必要であろう。

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基本給が占める一人当たりのGDP

給与の中央値を比較すると、日本は2010年以降、1人当たりGDPが100%前後で推移しているのに対し、韓国は2010年の1人当たりGDPの79.4%から2020年には97.2%に上昇していることが分かった。それに比べて台湾の賃金中央値は、70.1%から、2020年にはわずか59.7%に低下している。

つまり、台湾のGDPのうち、労働者に還元される分がどんどん少なくなっているのだ。日本や韓国と肩を並べるには、今の台湾の賃金の中央値が6万5000台湾ドル程度でなければならない。先述のように、今の生活費に見合う賃金であれば、中央値はその程度であるべきなのだ。

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給与中央値が占める一人当たりのGDP

この比較から、台湾の一人当たりGDPは間もなく日本や韓国と同等になるが、実際はこの2国に比べて、台湾はGDPから労働賃金にほとんど還元されていないことがわかる。前述したように、台湾の賃金の中央値は基本給と密接に関係しており、台湾で基本給が抑制される限り、あらゆる所得レベルの労働者の窮状は影響を受け続けるということだ。

つまり、台湾の労働者が受ける恩恵は日本や韓国に比べれば微々たるものであり、台湾の1人当たりGDPが近隣諸国と同じレベルまで向上したということは、実は何にもならないのである。気にしなければならないのは、1人当たりのGDPではなく、台湾の労働者の生活費ニーズを満たすだけの賃上げがなされているかどうかということである。

これまで指摘してきたように、台湾の基本給は、台湾での生活費をまかなうにはまだまだ不十分である。Yahoo Chima Newsが行った調査によると、台湾の回答者の45.6%が、今年の基本給をさらに引き上げるべきと考えていることがわかった。

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基本給が25250元まで引き上げられることに対し、どのように考えますか?

基本給をどれだけ上げるかについては、回答者が最も同意した案は、少なくとも10.9%高くすることであった。

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あなたは基本給がどのくらい引き上げられると思いますか?

要するに、労働者の賃金が低迷しているのに、1人当たりのGDPが増えたと喜んでも意味がないのである。

政府は、基本給を台湾の基本的な生活水準を満たすのに十分な水準に引き上げるために、より一層の努力と計画の策定が必要である。


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