2022-04-07 経済

イーロン・マスク氏ツイッター社取締役就任 評論家「言論の自由にバッドニュース」の訳

© Photo Credit: Reuters /達志影像 Elon Musk

米経済誌「フォーブス」による最新の「世界の長者番付」が5日(日本時間6日)発表され、米電気自動車メーカーのテスラや宇宙開発企業スペースXのイーロン・マスク氏(50)が、初の首位となった。総資産は推定2190億ドル(約26兆9100億円)で、昨年まで4年連続トップだったアマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏を超えた。

そのマスク氏が先週、「言論の自由への貢献が足りない」と批判したばかりのツイッター社に取締役として就任することが6日明らかになった。米国向けニュース専門放送局MSNBCの政治評論家テュム・オブライエン氏は、米ブルームバーグに論説を寄せ、マスク氏が経営陣に加わったことを「バッドニュース」だとし、マスク氏こそ言論の自由に対する関心はなく、ツイッターというソーシャルメディアを支配することにしか興味がないと警戒感をあらわにした。

米証券取引委員会が公表した4日付の資料によると、マスク氏はツイッター株式の9・2%にあたる7350万株を約3500億円で取得し、筆頭株主になったとみられる。マスク氏自身もツイッターアカウントを持ち、約8000万人のフォロワーを抱える。

マスク氏は先月末、「ツイッターは公共のフォーラムとして機能している以上、言論の自由の原則を守らなければ民主主義を損なう」として同社を批判。新たなプラットフォームを作ることを検討しているとしていたが、それから数日でツイッター社を〝買収〟することになったわけだ。

オブライエン氏は論説で、「ツイッターへの投資を決めた背景には、もっと重要な意味が込められているのだろう。例えばツイッターを屈服させることとか」と指摘。その上で、「マスクはツイッターを買収したいのか?いや、そうではないだろう。同社の財務状況は特に良いわけではなく、ソーシャルメディアの運営は容易ではない。マスクは誰か特定の人物を経営陣に指名するのか?そうかも知れない。そうすれば時間やカネをそれほど使わず、自分は指示するだけで済むのだから」とした。

オブライエン氏はマスク氏の動機はカネではなく、「ツイッターの経営陣を恐れさせること」だと主張する。そうなると、「必ずしも言論の自由を絶対視しない〝言論の自由の旗手〟がメディア企業のかじを取り、もしくはそれに近いことをするのは理想的ではない」とした。

また、マスク氏の株式取得が4日に公表されるや、ツイッター株が26%上昇したことについて、「彼はもちろん取得した株をしばらくは持ち続けるだろうし、ツイッター株が注目されることで、さらに株価は上昇するだろう」と推測。

ところが、「マスクはカネのためにやっているのではない。やりたいことがあるからだ。それがツイッターの経営陣を恐れさせている。もし言論の自由が危ういと心配するなら、そのあたりの意味合いに敏感でなければならないだろう」とし、マスク氏による言論支配の懸念を示した。

この論説は、「イーロン・マスクのツイッター投資は言論の自由にとってバッドニュースか」との見出しで5日付米紙ワシントン・ポストでも紹介され、米著名ソフトウェア開発者マーク・アンドリーセン氏がその見出しをツイートした。すると、それを知ったマスク氏がリツイートし、大笑いの絵文字を付けて「ワシントン・ポストはいつも笑わせてくれる」とつぶやいた。果たしてマスクの本心はどこにあるのか…。

 

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