2022-01-04 経済

英国の大学で日本語学ぶ学生が激増 大人気アニメ、ゲームソフトがきっかけ

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日本のアニメやビデオゲーム、Jポップなどサブカルチャーの影響で、英国の大学では日本語を専攻する学生が急増している。以前はビジネス志向の学生が、経営学などを専攻する傍ら日本語を学ぶケースが多かったが、近年は大きく変化しているというのだ。

 

英国の近代語学大学審議会の調査によると、2018年に日本語コースを設置した英国の大学は、2012年に比べ71%増加。18年から21年ではさらに39%増えた。また、語学教育プラットフォーム「デュアリンゴ」によると、英国では日本語が外国語学習プログラムのダウンロード数で、最も急成長している言語だという。

 

英リーズ大学の日本語講師カズキ・モリモト氏は、英紙ガーディアンに「趣味程度に日本語を学び始めたものの、その面白さにハマり、大学で学位を目指したり専攻することを考えたり、真剣に取り組んでいる姿勢が特徴」と説明した。

 

同氏によると、10~20年ほど前は将来の就職を前提に、選択肢を広げる手段として経済を勉強しながら日本語を学ぶ学生が多かったが、今は日本文化に対する親しみから学ぶ傾向へと移行している。

 

そのきっかけはソーシャルメディアの急速な普及により、日本の様々なアニメや漫画、ビデオゲームソフト、独特な音楽観を持つJポップなどに関する多くの情報が、若い世代に影響を及ぼしたからだという。

 

特にアニメの海外人気は別格で、単行本が全世界累計で4億9000万部を記録した「ONE PIECE」や、同2億6000万部の「ドラゴンボール」、同2億3500万部の「NARUTO-ナルト‐」などに加え、近年では「進撃の巨人」「鬼滅の刃」「半妖の夜叉姫」「ジョジョの奇妙な冒険」「SK∞ エスケーエイト」など枚挙にいとまがない。

 

ゲームソフトも同様で、代表的なものには任天堂の「スーパーマリオシリーズ」や同「ドラゴンクエストシリーズ」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーシリーズ」、カプコンの「ストリートファイターシリーズ」など、こちらも世界の若者たちに多大な影響を与えてきた。

 

さらに、モリモト氏は2019年のラグビーW杯や昨年の東京五輪・パラリンピックに至るまでの日本政府が手掛けた戦略的な文化外交の成果でもあるとも指摘。そのため、日本への留学希望も高まっているとしている。

 

一方、ガーディアン紙は、英国の若者の間で広がる東アジアへの関心が、日本語だけでなく韓国語も学習対象としている学生数が急増していると伝えた。

 

韓国語の場合はBTSやブラックピンクなどのKポップの人気に加え、近年では米アカデミー賞作品賞に輝いた「パラサイト 半地下の家族」や、昨年の同賞で助演女優賞を受賞した米国の韓国系家族を描いた「ミナリ」、また昨年、世界的人気となったネットフリックスのサスペンスドラマ「イカゲーム」など、エンターテインメントのコンテンツの影響によるところが大きいという。

 

ネットフリックスによると、「イカゲーム」は配信開始から4週間で同社の最も視聴された番組になり、シーズン1全9話(1本平均約55分)の視聴時間が、世界合計で16億5000万時間に達した。また、BTSが20年にリリースしたシングル曲「ダイナマイト」は公式PVがユーチューブ公開24時間で、1億110万回再生の新記録を作った。

 

同紙によると、韓流と称される韓国のエンタメ界は、17年時点ですでに50億ドル(約5756億円)産業に成長。その後も世界シェアを伸ばしている。今年も日本や韓国のコンテンツが、英国の若者たちを魅了し続けることになるのだろうか。

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