2021-12-30 ライフ

台湾人が選ぶ「今年の漢字」

© Reuters / TPG Images


12月13日のお昼過ぎ、日本漢字能力検定協会の主催する「今年の漢字」が京都清水寺で発表された。今年は日本では、二十数万票中、十万票余りを獲得した「金」が選ばれた。東京オリンピック・パラリンピックでの日本の金メダルラッシュ、MLBで大活躍した大谷翔平選手、四冠を達成した将棋の藤井聡太さんなどが金字塔を打ち立てたことや、コロナで休業した飲食店への支援金や給付金などが理由としてあげられた。

 

台湾でも2008年から毎年末、一年の世相を表す漢字一文字を「今年の漢字」として、国民の投票によって選ぶ行事が行われている。台湾大手新聞社「聯合報」と大手銀行「中国信託文教基金会」の共催で、今年は12月15日に八千票余りを獲得した「宅」が選ばれた。中国語の「宅」は、日本語とほぼ同じ意味で、「家、住居、うちにいる」という意味である。ちなみに、日本語の「オタク」は中国語で「宅男」「宅女」という。

 

この漢字は、日本語では、「巣ごもり」に相当する。新型コロナウイルスの影響で、多くの人が外出を自粛し、うちに籠り、大学など学校ではリモート授業になり、会社では在宅勤務にシフトしたことが、今年の漢字にこの字が選ばれた主な理由としてあげられるだろう。つまり「巣ごもり」である。

 

しかしこれが大きな社会現象になったのは、新規感染者が突然増え始めた今年5月からで、この時から約半年間、朝夕のラッシュ時でさえ道はがらがら、レストランや屋台はテイクアウトのみで店内飲食はほとんどなくなり、スポーツジム閉鎖、野球などの大会は軒並み中止というふうに、国民生活に多大な影響を与えた。世界的パンデミックが始まった2020年1月から、台湾ではコロナ対策が成功し、ほとんど市中感染者が出なかったが、水際対策として、台湾に入ってくる人は、本国人・外国人を問わず、14日間の隔離政策をとった。帰国者・来台者が隔離期間中ちゃんと隔離施設にいるかどうか、当局から一日1~2回、確認の電話がかかってくるほど、隔離には徹底して臨んだ。これも「宅」と言える。

 

去年は、世相を表す漢字に「疫」が選ばれている。また、海峡両岸協会(両岸とは、台湾海峡を挟んだ台湾と中国のこと)は中国・台湾関係を表す今年の漢字として「難」を選んでいる。「宅」「疫」「難」、どの漢字も、台湾の世相をストレートに反映する漢字で、わかりやすい。

 

台湾今年の漢字 from Wikipedia

 

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