2022-04-08 ライフ

深くて長いお付き合い⑤-日本と台湾の野球 ―台湾の地区少年野球クラブ―


 

(第5回)


≪台湾最大の少年野球大会≫

毎年12月、台湾中南部の嘉義(映画「KANO」の嘉義農林高校があった町)で「諸羅山盃國際軟式少棒邀請賽」という国際少年野球招待トーナメントU12が行われる。この大会は1998年に第1回が行われ、今年で25回目となる(2020年と2021年はコロナのため日本、韓国、香港などの海外チーム不参加)。予選がないので、毎年200~250チームくらいが参加して、約1週間、熱い戦いが繰り広げられる。2019年までは日本から京都や岩手、茨木、新潟など毎回数チームが参加し、これまでに京都が9回、日本IBAが7回優勝している。筆者がコーチをしている台北在住日本人子弟のチームも毎年参加しているが、たいてい最初の2,3日で台北に戻ることになる。

台湾は、日本とちがって、小中学生の野球では学校の体育科野球部の方が町のクラブチームよりも圧倒的に強い。学校野球部の指導者には、しっかり野球指導を学んだ先生や、プロ野球出身者も多く、公式戦の成績によって、市の教育局(都道府県教育委員会に相当)からもらえる補助金に差がつくので、非常に熱心に取り組んでいる。また、小学生でさえ、平日は午前で授業が終わり、昼からは野球漬けの毎日である(第4回記事参照)。強い学校野球部チームが多数参加する嘉義の大会で、日本のクラブチームが何回も優勝したことは、多くの台湾のクラブチームを勇気づけ、夢を与えたと思う。


 

≪町のクラブチーム≫

最近20年、町のクラブチーム(社区棒球隊という)が増えてきた。野球人口の底上げのため、小1~小4のチーム(U10)もたくさんできた。クラブチームに関しては、日本とほとんど変わらず、台湾のチームも似たような問題を抱えている。まず練習場所確保が難しい、保護者の負担がハンパない、問題ある指導者・保護者をたまに見かける、などなど。小中学校体育科の野球部との二重登録も認められない。でもみんな和気あいあいに楽しく野球をしている

台湾では、日常の中に、わさび、おじさん、ちょっとまって、あっさり、など、非常に多くの日本語が使われている。野球用語も然り。子供でさえ「ピッチャー」「アウト」「フライ」はもちろんのこと、「牽制」「盗塁」「タッチアップ」など、そのままの発音で使っている。筆者のチームが現地チームと親善試合をした時、相手は日本語がわからないだろうと思って言葉でサインを出したことがある。ほとんど筒抜けだったが、サインがわかっても、彼我ともそれほど緻密な対策プレーができるはずもなく、幸いにも、ゲームの流れに影響はなかった。

試合開始前の整列とあいさつ、終了時の整列とあいさつ、審判への感謝、応援団(家族、友人)への感謝など、クラブチームは学校野球部ほどきれいに揃ってテキパキとできるチームは多くないが、マナーや礼儀、挨拶もちゃんと指導するチームが増えてきた。



 

第5回終わり

(次回は≪台湾のチアリーディング≫についてレポートします)


 

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