2021-12-29 政治・国際

オミクロン株が猛威振るう欧州の惨状!ロンドンで「重大事態宣言」、フランスは「ワクチンパス」強行

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注目ポイント

フランスのカステックス首相は17日、来年1月に現在の「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更し、バーやレストラン、映画館など屋内の公共スペースには予防接種を受けた人のみが入館を許可される法案を国会に提出すると発表した。


ガーディアン紙は、この「重大事態」によって、異なる公的機関の間でより緊密な協力と調整が可能になったが、救急サービスや病院が異常事態において通常の医療サービス水準を保証できなくなったことも反映していると報じた。


カーン市長は、病床稼働率や医療従事者の欠勤が増加傾向にあることも踏まえて検討を重ね、重大事態宣言をすることを決めた。カーン市長は、オミクロン株の発生が首都に及ぼす影響をすでに実感しており、ウイルスの変異株について調べているところだと語った。 「ロンドンの主要機関が緊密に連携して、変異株の影響を最小限に抑えていくべき時であり、ワクチンの接種をいかに進めていくかも大きな鍵である」と話している。


英国の状況を受け、ドイツ保健局は英国を新型コロナウイルスの高リスク国として、渡航者に厳しい制限を設けると発表した。 これは19日に発効し、英国に入国する乗客は、ワクチン接種の有無にかかわらず、2週間の隔離を強制される事となる。


フランス政府は、消極的なワクチン接種者に圧力をかけるため、より厳しい措置を取る意向だ。また、科学委員会が新年の祝賀イベントを「大幅に制限」するよう政府に要請し、首都パリではシャンゼリゼ通りのすべてのイベントの中止が発表された。


ロイター通信によると、フランスのオリビエ・ヴェラン保健相がフランスのラジオ局(フランスインターラジオ)のインタビューに答え、政府はワクチン接種を受けた人々に外出禁止令やロックダウン措置をとりたくはないが、オミクロン株の感染力は非常に高いことから、ワクチン接種を望まない人々に対しては、圧力をかける必要があると述べたという。ヴェラン氏は「予防接種を受けないことは、副反応を起こさないための選択肢であるとは言い続けることはできない」と述べた。

 

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フランスで「ワクチンパス」法案を反対するデモを行う人々


フランスのカステックス首相は17日、来年1月に現在の「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更し、バーやレストラン、映画館など屋内の公共スペースには予防接種を受けた人のみが入館を許可される法案を国会に提出すると発表した。現行のルールでは、衛生パスは新型コロナウルス検査が陰性であること、またはワクチン接種を証明するものを認めている。


また、ヴェラン氏によると、フランス政府は公共交通機関(電車、飛行機など)も "ワクチンパス "の利用を求めるほか「パスと一緒に他の身分証明書の提示を求めることを検討するよう、国会議員に要請する」とし、 今は「衛生パスの偽造が多すぎる」と言う。

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