注目ポイント
フランスのカステックス首相は17日、来年1月に現在の「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更し、バーやレストラン、映画館など屋内の公共スペースには予防接種を受けた人のみが入館を許可される法案を国会に提出すると発表した。
新型コロナウイルスのオミクロン株が欧州各国を覆っており、オランダは18日、クリスマス期にロックダウン、ロンドンは「重大事態になった」と宣言している。フランスのパリでは、シャンゼリゼで行われるすべてのイベントの中止を発表、政府は2022年1月に「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更する法案を提出し、ワクチン接種者以外は屋内の公共スペースを利用できなくなるようにするとしている。
オランダがロックダウン、自宅への訪問者の人数制限へ
中央通訊社は、ヨーロッパでは新型コロナウイルスの感染者数の増加を抑えようとしており、感染力の強いオミクロン株の流行下、ロックダウンを発表したオランダや、「重大事態」宣言をしたロンドンでは大混乱が起きている、と報じた。また、AFPやロイターなどの通信社は、オランダのルッテ首相が先日、オミクロン株抑制のため、生活必需品の販売店以外の商店や、文化・娯楽施設を1月14日まで、学校を少なくとも来年1月9日まで一時的に閉鎖すると発表した。 自宅への訪問者の人数制限も厳しくなり、1家庭につき2人まで、屋外でのグループでの集会も2人までとする、と報道している。
ルッテ首相は記者会見で、「一言で言えば、19日からオランダは再び都市封鎖状態になる」と述べた。「 今何もしなければ、病院は想像を絶する状況に陥るだろう」と語り、特に主要な医療機関はすでに各専門医が専門を越え、新型コロナウイルス患者に尽力している、と述べた。
オランダの感染症専門家によると、クリスマスから大晦日にかけてオランダで最も流行する変異株はオミクロンだと予想されている。オランダでは成人の85%以上がワクチン接種を受けているが、ブースター接種を受けた人は9%未満と、ヨーロッパで最も低い。オランダ国立公衆衛生・環境研究所(RIVM)は先日、過去24時間に1万4616人が感染したと報告し、国内では流行開始以来、290万人以上の感染者が確認され、2万4200人が死亡したと発表した。
ヨーロッパでオミクロン株が発生したのはオランダだけではない。 欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、来年1月中旬までにオミクロン株が欧州での主流となるであろうと警告している。
先週3日連続で記録的な数の感染者が確認され、ロンドン市長が「重大事態」を宣言
イギリスでは先週確認された患者の合計数が、3日連続で最多記録を更新したため、新たな規制が導入され、さらなる厳しい封鎖措置が検討されているとの噂も流れている。新規感染者のほとんどがオミクロン株であるロンドンでは、サディク・カーン市長が、急増は「極めて憂慮すべき事態」であるとし「重大事態」を宣言した。