2021-12-29 政治・国際

オミクロン株が猛威振るう欧州の惨状!ロンドンで「重大事態宣言」、フランスは「ワクチンパス」強行

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注目ポイント

フランスのカステックス首相は17日、来年1月に現在の「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更し、バーやレストラン、映画館など屋内の公共スペースには予防接種を受けた人のみが入館を許可される法案を国会に提出すると発表した。


新型コロナウイルスのオミクロン株が欧州各国を覆っており、オランダは18日、クリスマス期にロックダウン、ロンドンは「重大事態になった」と宣言している。フランスのパリでは、シャンゼリゼで行われるすべてのイベントの中止を発表、政府は2022年1月に「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更する法案を提出し、ワクチン接種者以外は屋内の公共スペースを利用できなくなるようにするとしている。


オランダがロックダウン、自宅への訪問者の人数制限へ


中央通訊社は、ヨーロッパでは新型コロナウイルスの感染者数の増加を抑えようとしており、感染力の強いオミクロン株の流行下、ロックダウンを発表したオランダや、「重大事態」宣言をしたロンドンでは大混乱が起きている、と報じた。また、AFPやロイターなどの通信社は、オランダのルッテ首相が先日、オミクロン株抑制のため、生活必需品の販売店以外の商店や、文化・娯楽施設を1月14日まで、学校を少なくとも来年1月9日まで一時的に閉鎖すると発表した。 自宅への訪問者の人数制限も厳しくなり、1家庭につき2人まで、屋外でのグループでの集会も2人までとする、と報道している。


ルッテ首相は記者会見で、「一言で言えば、19日からオランダは再び都市封鎖状態になる」と述べた。「 今何もしなければ、病院は想像を絶する状況に陥るだろう」と語り、特に主要な医療機関はすでに各専門医が専門を越え、新型コロナウイルス患者に尽力している、と述べた。


オランダの感染症専門家によると、クリスマスから大晦日にかけてオランダで最も流行する変異株はオミクロンだと予想されている。オランダでは成人の85%以上がワクチン接種を受けているが、ブースター接種を受けた人は9%未満と、ヨーロッパで最も低い。オランダ国立公衆衛生・環境研究所(RIVM)は先日、過去24時間に1万4616人が感染したと報告し、国内では流行開始以来、290万人以上の感染者が確認され、2万4200人が死亡したと発表した。


ヨーロッパでオミクロン株が発生したのはオランダだけではない。 欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、来年1月中旬までにオミクロン株が欧州での主流となるであろうと警告している。


先週3日連続で記録的な数の感染者が確認され、ロンドン市長が「重大事態」を宣言


イギリスでは先週確認された患者の合計数が、3日連続で最多記録を更新したため、新たな規制が導入され、さらなる厳しい封鎖措置が検討されているとの噂も流れている。新規感染者のほとんどがオミクロン株であるロンドンでは、サディク・カーン市長が、急増は「極めて憂慮すべき事態」であるとし「重大事態」を宣言した。


ガーディアン紙は、この「重大事態」によって、異なる公的機関の間でより緊密な協力と調整が可能になったが、救急サービスや病院が異常事態において通常の医療サービス水準を保証できなくなったことも反映していると報じた。


カーン市長は、病床稼働率や医療従事者の欠勤が増加傾向にあることも踏まえて検討を重ね、重大事態宣言をすることを決めた。カーン市長は、オミクロン株の発生が首都に及ぼす影響をすでに実感しており、ウイルスの変異株について調べているところだと語った。 「ロンドンの主要機関が緊密に連携して、変異株の影響を最小限に抑えていくべき時であり、ワクチンの接種をいかに進めていくかも大きな鍵である」と話している。


英国の状況を受け、ドイツ保健局は英国を新型コロナウイルスの高リスク国として、渡航者に厳しい制限を設けると発表した。 これは19日に発効し、英国に入国する乗客は、ワクチン接種の有無にかかわらず、2週間の隔離を強制される事となる。


フランス政府は、消極的なワクチン接種者に圧力をかけるため、より厳しい措置を取る意向だ。また、科学委員会が新年の祝賀イベントを「大幅に制限」するよう政府に要請し、首都パリではシャンゼリゼ通りのすべてのイベントの中止が発表された。


ロイター通信によると、フランスのオリビエ・ヴェラン保健相がフランスのラジオ局(フランスインターラジオ)のインタビューに答え、政府はワクチン接種を受けた人々に外出禁止令やロックダウン措置をとりたくはないが、オミクロン株の感染力は非常に高いことから、ワクチン接種を望まない人々に対しては、圧力をかける必要があると述べたという。ヴェラン氏は「予防接種を受けないことは、副反応を起こさないための選択肢であるとは言い続けることはできない」と述べた。

 

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フランスで「ワクチンパス」法案を反対するデモを行う人々


フランスのカステックス首相は17日、来年1月に現在の「衛生パス」を「ワクチンパス」に変更し、バーやレストラン、映画館など屋内の公共スペースには予防接種を受けた人のみが入館を許可される法案を国会に提出すると発表した。現行のルールでは、衛生パスは新型コロナウルス検査が陰性であること、またはワクチン接種を証明するものを認めている。


また、ヴェラン氏によると、フランス政府は公共交通機関(電車、飛行機など)も "ワクチンパス "の利用を求めるほか「パスと一緒に他の身分証明書の提示を求めることを検討するよう、国会議員に要請する」とし、 今は「衛生パスの偽造が多すぎる」と言う。


欧州各国は追加接種を推進し、イタリアは防疫に関する新たな規制を発表予定。アイルランドはバーやレストランに午後8時までの時間短縮を命じ、デンマークは映画館などの営業停止を求めた。


ワクチンの面でも、欧州各国はブースター接種を推進し、ワクチン接種対象を子どもたちにも拡大している。


ポルトガルでは、今週末、何万人もの12歳以下の子どもたちがワクチン接種を受ける予定で、 フランスでも22日から12歳未満の子どもへのワクチン接種を開始している。

 

中央通訊社によるとイタリア紙コリエレ・デラ・セラは今月23日、ドラギ首相が閣議後、ダンスホールやスポーツ競技場など混雑した会場に入る前にワクチン接種者であっても陰性証明することが義務付けられる新ルールを発表するようだと報じた、としている。また、映画館や劇場への入場には陰性証明が必要となる可能性があり、屋外ではマスクの着用が義務付けられる。 また、イヴニングポスト紙は、現在医療従事者、学校職員、軍警察に義務付けられているワクチン接種が、来年1月にはすべての労働者に拡大される可能性があると指摘している。



原文責任編集者:潘柏翰

原文校閲者:翁世航
翻訳者:TNL  JP編集部
校閱者:TNL  JP編集部

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