テキサス州では中国系科学者シャン・シー氏が、潜水艦に使われる高度なプラスチック製品に関する秘密技術を中国企業のために盗んだ罪で昨年有罪が確定した。
一方で、ニューヨーク州の連邦地裁は今年6月、米国航空宇宙局(NASA)エイムズ研究センターの宇宙探査技術主任研究員のメイヤ・メイヤッパン氏が「千人計画」に参加していることを隠し、FBI捜査官に虚偽陳述をしたとして、30日間の禁錮と10万ドル(約1144万円)の罰金を言い渡した。同氏は同計画のためにリクルート活動も行っていたとされる。
米国政府は高度技術の不法な取得活動への取り締まりを強化し、この2年で他にも多くの研究者が千人計画関連で訴追されている。
この千人計画は欧米の科学者のみならず、日本人も参加していることが判明している。中国共産党中央組織部は09年、日本人を含む204人の外国人科学者が同計画に参加したことを公表したからだ。
国会でも昨年6月、参院の委員会で千人計画に対する政府見解が問われた。その際、政府担当者は「日本人学者らの関わりについては何も把握していない」と答弁し、危機感の欠如が露呈した。