2021-12-24 経済

「アップルカー 」の主要エンジニアが辞任! 2025年の自動運転電気自動車公開に暗雲漂う

注目ポイント

12月1日、アップルカー(Apple Car)のシニアエンジニアリングディレクターのマイケル・シュワクッチ氏(Michael Schwekutsch)が辞任した。シュワクッチ氏は、電動スカイタクシーのベンチャー企業アーチャー(Archer)に加入し、エンジニアリングの上級副社長に就任した。これはアップルが大きな戦力を失い、2025年までに全自動運転の電気自動車を完成させるという目標達成が、難しくなったことを意味する。

ここ数年、アップルカーに関する噂は聞くが、いまだにその正体は明らかになっていない。12月1日にアップルの自動運転電気自動車プロジェクトのシニアディレクターであるシュワクッチ氏が、新興の電動スカイタクシーベンチャー企業のアーチャーに移籍し、エンジニアリングの上級副社長を務めることが明らかになり業界に衝撃が走った。アーチャー社はこの件に対し、シュワクッチ氏は同社の電池バッテリーと電動モーターの開発をリードすることになると述べた。これはアップルカーが今後、より多くの課題に直面することを示唆している。


 

アップルの電気自動車はハンドルもアクセルもない?

 

これまでアップルは「電気自動車」に関する正式発表をしていないが、噂は後を絶たない。経済ニュースを中心に配信する米ブルームバーグの報道によれば、アップルは早ければ2025年度に「アップルカー」の完成を予定しており、「Titan」と呼ばれるこのプロジェクトにおけるテスラ(Tesla)との最大の違いは、ハンドルとアクセルペダルが存在しない完全に自律的な電気自動車であることとしている。

 

報告書によると過去数年、アップルの電気自動車チームは、完全自動運転の実現を目指して、加速と旋回の研究開発に多額の資金を費やしてきた。アップルの自動車用チップは、内部の最先端コンポーネントとの組み合わせにより、自動運転において必要不可欠な人工知能の処理も可能になるという。

 

しかし、この最先端チップには放熱の問題があり、チームは現在、より複雑な冷却システムの開発に取り組んでいる。また一方では、安全性も自動運転の成否を判断する上で重要な課題である。内部開発に関わるエンジニアは、アップルはテスラよりもさらに強力な安全対策を模索しているとブルームバーグに語っている。

 

ここ数週間、アップルはボルボのシステムエンジニア、ダイムラートラックのマネージャー、カルマオートモーティブやその他自動車メーカーのバッテリーシステムエンジニア、GMクルーズLLCのセンサーエンジニアを雇用し、安全性の強化に向けて大規模な研究開発を行っている。

 

アップルの最近の採用情報を見てみると、ソフトウェアのインターフェイスの開発にも力を入れていることがわかる。一部報道によると、アップルは自動車のインターフェイスの開発を推し進めることによって、ソフトウェアで発生する問題も改善し、iPhoneの操作システムに相当する、より適切な操作感の提供を目指しているとされる。

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