注目ポイント
日本の経済産業省は、日本国内の半導体産業の強化のため「半導体産業基盤緊急強化パッケージ」を発表した。日本政府は、TSMC(台湾積体電路製造)および及びソニーに、約4,000億円を補助するとし、初期投資額の8,000億円の半分に達する見込み。今後は、3ステップで計画を実行する予定だ。
これらに関し、台湾経済研究院の劉佩真氏は、インテルの場合、TSMCの技術に追いつくのは難しく、ファウンドリビジネスモデルの構築もTSMCとは比較にならない。さらに同氏は「TSMCと顧客との間で競合の関係はない。それは米国インテルや韓国サムスンに比べ、競合における非常に重要な要素だ」と語った。
また、TSMCの財務諸表を見ると、工場、機器及び技術研究開発に対する投資額は、1,000億ドルに達し、昨年の日本の年間国内総生産(GDP)の約1.8%に相当する(2020年日本の年間国内総生産は、5.3兆ドル=608.4兆円)。
TSMCは世界トップシェアメーカーであるが、競合会社がないというわけではない。韓国のサムスンは徐々にTSMCを追従してくるであろう。TSMC創業者の張忠謀氏は「産業の環境が似ており、エンジニアの質も匹敵する。サムスンはTSMCの強敵だ」と述べた。
現在、サムスンは半導体市場で17.3%のシェアを持ち、世界2位の半導体ファウンドリでもあるが、TSMCの52.9%とはまだかなりの差がある。しかし、張忠謀氏は「半導体ファウンドリのゲーム理論において、TSMCとサムスンは1対1の局面にある。気を抜かないことが重要だ」とTSMCの従業員に呼び掛けていると語る。
また同氏は「半導体ウェハの製造は全世界中の国民の生活、経済及び国家安全につながる産業であり、台湾が世界競争での大きなアドバンテージを有している。そして今後も重要な役割を担うことになる。台湾政府もこのことを重視して考えるべきである」と警鐘を鳴らした。
原文作者:莊貿捷
原文責任編集者: 翁世航
原文校閲者: 翁世航
翻訳者: TNL JP編集者
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